大人の独りよがりな可愛がり方の危険性 | はらくんのブログ

はらくんのブログ

あそび歌作家・シンガーソングライター・アレンジャー(編曲・伴奏作り)・シアターや絵本制作など、いろいろやっている元保育士です^^

私、保育士になりたての頃、こんなことを思っていました。


「大人が子どものことをかわいがってれば、子どもはちゃんと育つ」


……これ、間違ってはないんですが、落とし穴があるんだということにある時気が付きました。



親御さんがかわいがってるつもりでも、親子関係がうまくいかないケースがあるんです。



理由は割と単純なことです。


それは、「大人の可愛がり方が独りよがりだから」



「子どもがかわいくて仕方ない。守ってあげたいからずっと私のそばにいてほしい」


「子どもを愛している。子どもの幸せを私が用意してあげなくちゃ」


「子どもが満たされないのはかわいそうだ。だから私がなんでも望みをかなえてあげよう」



……3つ例を上げました。この例には、とても身勝手な「大人の我」が潜んでいます。


子どもの幸せを考えているようで、実はそうではありません。どちらかといえば、大人の「欲」になってしまっています。そのうえ、「子どもが何を感じ、何を考えているか」という、子どもの気持ちに寄り添う心に欠けている可能性も強そうな心理状態です。


すると子どもが、大人の対応を重荷に感じたり、邪魔に思ったりするかもしれません。


だって、子どもからすれば、「この大人(親や先生)、僕の気持ちを何にもわかってくれない」と感じてしまうから。



「保育で大事なのは共感すること」と、保育士時代に学びました。本当にその通りだと思います。


子どもが感動していたら一緒に感動する。子どもが楽しんでいたら一緒に楽しむ……。


もちろん無理やり合わせる必要はなくて、「うんうん、わかるよ」とか、「そうだね、よかったね」という具合でいいのだと思います。


たとえ子どもがなんで楽しんでるのか理解できなくても、「はぁ? 何が楽しいの?」とあっさりあしらう前に、いったん立ち止まって、「へえ、楽しいの? どれどれ」と、大人である自分から子どもの心に寄り添っていけば、十分共感したことになるのでしょう。



まあ、「共感」と口にするのは簡単なのですが、実際日々の生活の中でそれを大事にしていくのは、なかなか難しいのです。だって人間、基本的に自分の主観で生きてますからね。私自身、油断するとついつい「共感」より「自我」がつよくなってしまって感情的になってしまいます……。


簡単ではないですが、心がけひとつでずいぶん子どもとの関係が変わってくるとは思います。もし子どもとの関係でお悩みの方がいましたら、ちょっと意識してみてください。ずいぶんいろんなことに気づくはずですよ。気づきは改善への第一歩ですよね。