TV業界での軌跡：カメラマン　香月梨江

高校の入学式の時に耳に飛び込んできた素敵なアナウンス。

え？

何？

プロのアナウンサー来てるの？

思わず声の主を探した。

その声は、2年と3年の放送部の先輩達だった。

その声に惹かれ入部。

実は私が通っていた高校の放送部は放送部のインターハイにあたる全国大会出場常連校で、
アナウンサーやMCをたくさん排出している放送の名門校だった。

発声

発音

アクセント
早口言葉に放送劇まで

しっかりと基礎を叩き込まれた。

お陰様で私も全国大会には2度出場し、

将来はナレーターを目指そうと、

高2でテレビ局が主催するアナウンス教室にも通った。

※人前が苦手といつもブログに書いているので
ブログをよく読んでくれている人はこれを読むと「？」と思うかもしれないけど、
人前は嫌いだけど、ラジオなど原稿を元に人から見えないところで喋るのは好き(笑)

放送系の大学に進みたかったが

父が脳溢血で倒れたため、県外に進学をするのを諦め
地元の放送学科のある専門学校へ進む。

が、アナウンスの授業があると思っていたら、

後期の2単位のみ。

ほぼ制作の授業ばかりだった。

スタジオ用カメラや取材用カメラの使い方

映画のフィルムからビデオの編集
舞台用語から照明・音響まで

実際の制作に関わることだけでなくブラウン管の成り立ちから
歴史まで教えてもらった。

しかも講師陣は東京オリンピックでカメラマンをしていたり
有名アーティストのライブの現場でいつも仕事をされている
現役の先生方だったりと、
教科書には載っていない撮影のイロハから
事件や芸能の撮影裏話までたくさんの事を教えて頂いた。

そんな先生からバイトを紹介してもらって、行った先がTV局。
しかもバイト内容は実際のTV番組のカメラマン(笑)

今考えると学生がスタジオカメラ振るってすごいことだと思うけど(笑)

ありがたいことにカメラだけでなく
タイムキーパーなども兼任させていただいた。

バイトの学生がディレクターや局アナに指示を出す・・・。
小心者の私はかなりドキドキした(笑)

就職先はナレーターやラジオ方面に進むつもりだったのに
担任からとある会社に学校帰りに顔を出すようにと強く言われ、
断り切れずに友人とに行ったら、翌日なんと内定が来てしまい
イベント会社への就職が決まってしまったT_T。

そんなこんなで、イベント・TV制作に没頭する日々。
残業200時間超え、3か月休みなしなんて当たり前。
時給320円で、あまりにもブラック企業ぶりに労働基準監督署も何度も入った(笑)

小さな会社だったので
カメラだけでなく・編集・音響・照明
時にはナレーションなど全てをこなした。

　↑
一日警察署長の取材に行ったら帽子を乗せられた・・・の図w
ちなみに首からかけているのは荷物が多くて持てなかったワイコン（ワイドコンバージョンレンズ）w

20年経って思うことは、
その時は自らが望んで始めた事ではないけど
まるで点と点が線で結ばれるように
やってきたことは後に全てが活かされていく。

「必要な事は必ず目の前に来る」

例えその時は分からなくても、
未来に最適な状態を作ってくれるために
神様が全部準備してくれている。

その準備を自分の好き嫌いで選択するかどうかは自分次第。

TV業界を離れて11年。
過去経験してきた知識が今また活かされようとしている。

◆◇◆◇◆◇

1989年