テレビのお笑い番組には困ったものである。
お笑いの感覚の問題ではない。お笑いをバラエティやコメディ
と呼ぶことが多いが、コメディとは必ずしもお笑いでなく、
シェクスピアの「ベニスの商人」や「夏の夜の夢」等のように、
非現実性や想像を超えた会話のやり取りで緊張の緩和を図る
のが喜劇で、何もお笑いをそこまで質の高いものにすべき
などと求めはしない。また求めたところで、到底無理な話であろう。
ただし公共の電波を使って発信する以上、それぐらいの教養の一端
ぐらいは見せて欲しい。
テレビのお笑い番組が、子供のいじめの遠因になっていることは、
指摘されて久しいが、相変わらず人の欠点を論(あげつら)ったり、
人の失敗をことの外、大層に罵(ののし)ったり、見ていて
辟易してしまう。その場の雰囲気を素早く読み取り、頭の回転が
人より優れた者が、動作が鈍く、口の遅い芸人を
捉まえてまくし立てるやり方は、仲間内の学芸会で済むなら良いが、
電波で一般に流す以上、それなりの配慮が
あってもいいのではないか。吉本興業の島田紳介や浜田雅功など
見ている子供は、必然的に自分はどちらの立場か、
置き換えている。そして言われる人間より、言う側になりたいと思うが、
出来ないで諦めざるを得ない。反発して向上する子は伸びるが、
大抵はそのまま落ち込んでいく子が多い。
こうなった原因に放送作家の質の低下と、視聴率の曖昧さが
考えられる。今の作家は専門学校を出て、1~2冊原稿を書き、
採用されるとそれ以上の勉強もせず、既刊のマンガや雑誌の
焼き直しで原稿を作ろうとするから作者のオリジナリティに欠け、
マンネリを打破出来ないのだ。おまけにいい加減な視聴率が
輪をかけて、作家、出演者をダメにする。今さらテレビタレントに
頑張れとか、視聴者に信頼される視聴率をなどとエール
は送らないが、放送作家だけでも頑張って欲しい。
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