123


今日は、ほんとに長い一日だった。
今日よりも明日はいい日になるだろうか。
明日よりも、明後日はいい日が来るだろうか。
私は明日を想う誰かの気持ちを考えると、とても辛い。

会社で、ある出来事が起こった。
会社のみんなを巻き込んだある出来事、としか言えない。
何より私がショックだったのは、彼がそういうことをした、
という事実ではなく、そういうことをしなければならないほど苦しんでいた、
ということの方が遥かに、言葉なんかよりも遥かに、辛いことだった。
どんな思いで彼はそれをやってのけたのだろう、と思うと途方もない気持ちになる。

いま、こんなに言葉を並べたところで何も変わったりはしないのだけれど。
私は何を見ていたんだろう、と本当に悔しくて仕方がない。
私の力で何か出来たわけでもないけど、それでも一体何を見ていたんだろう。
彼の苦しみは、救われなければならなかった。


正義は、決してこの世界に通じるものではない。
正義を貫こうとしたときに、大きな悪が立ちはだかって、
それでも貫く為には、少しの悪に染まる必要がある、
なんていう道理はダメなんだろうか。
少しも染まらないで、キレイなままで、貫けるものが
本当にこの世の中にあるのだろうか。

彼がしたことは、真っ直ぐな正義ではないけれど、
誰もが応援したかったはずの悪に染まらなければならない正義だった。
だからこそ、私は辛くなったのだ。


彼は、どうしているだろうか。
幼い子のいる家庭をもった良き父親が、
抑えきれない何かが生まれ、事を成したとき。
彼はどんな思いで、いたのだろう。

彼の明日は、良い一日になるだろうか。
明日よりも、もっと良い明後日になるだろうか。
今日よりも明日、明日よりも明後日。
少しでも良い一日になりますように。
080402_1650~0001.jpg
桜はきっと散るから、美しいのだ。
もっと言うと、散りかたすらも美しい。
ハラハラと舞う花びらの儚い感じは、
愛せと言わんばかりの、桜のささやかな主張なんだと思う。


さて、浅田次郎さんの『憑神』を読んだ。
先にDVDを観てしまったので、解説本ぐらいに思えたのだけど、
やはり本のほうが、中身にしても登場人物にしても厚みが違う。
むしろ、本書の中で一番大切なところを削ってしまったような、
そんな印象をあとから、映画に対して思った。


読んでいると、主人公の彦四郎にじれったさに似た苛立ちが沸く。
世の中がどうあろうと、誠実で優しくて、あまりに誠実だと
馬鹿をみる、そんなお手本を、つらつらと見せつけられる。

そう思いながらも結末を迎えると、不覚にも涙目になってしまった。
彦四郎の決断に、訳もなく清々しくなってしまう。
自己犠牲などというつまらない類いを遥かに超えて、
ただの彦四郎という男の人生を全うする、そのことに。

あの結末に涙したのは、私自身がよく分かってない。
だけど、大事な何かが一体なんなのか、
見えないものを見つけるのは、いつだって難しい。
ただ分かったのは、馬鹿というのは本当はちっとも馬鹿じゃない、
ってことぐらいだ!
122


10年来の男友達から、ご飯の呼び出しが掛かっている。
以前のブログでも紹介した若かりし頃には私の家に家出をし、
去年末には、突然、家裁から離婚調停の召喚状が届いたアイツだ。

だいぶ前に、異性間の友情は成り立つかということを書いた覚えがある。
今でも成り立たないだろう、と思っている。
なぜなら、私とアイツにしたって恋愛感情が全くなかったわけじゃないからだ。
過去に私は何度か告白され、挙げ句にプロポーズまでされるという、
なんとも融通のきかない関係に陥ったことがある。

その後、彼は付き合ったばかりの彼女を妊娠させ、結婚した。
そんな頃から5年間、全く連絡を取っていなかったので、
10年来というより、5年ほどと言った方が正しいのである。

私は、離婚危機に陥ってしまったアイツから何度か相談を受けたことがある。
しかし、私の答えはいつも『愛されてないなら、自分から愛せばいいじゃーん』である。
だって所詮、私も女子なわけで、奥さんも女子なわけで、
奥さんの気持ちは理解出来るけど、アイツは男なわけで、男の気持ちは結局想像だし、
しかも自分の辛さを理解して欲しいのなら、同じ男に相談すべきである。
奥さんの気持ちが分からないから知りたい、という理由で相談ならのってあげられても、
この辛さを分かってくれるだろ?、という甘えは異性間ではなし、ではないだろうか。

はっきり言って、例えば、自分の彼女の愚痴を女友達に言う、とか、
自分の奥さんの愚痴を異性に言う、ということは、異性に甘えたい気持ちがないのは嘘だ。
ほんとに自分が辛いのであれば同性に話をして、心底理解してもらった方が楽なはずだと思う。

よく聞く話で、
『友達の男の子と40過ぎてお互いに独身だったら結婚しようねって約束した』というのは、
例えば、女子が女子にそんなことを言った、なんて聞いたことが無い。
逆に、男子が男子に約束をした、などというのも聞いたことが無い。
相手とのセックスも想像出来ないような人同士が結婚の話なんてしないと思う。

つまり、根底に男女の意識があるってことで、男女を超えた友情なんていうのは、
都合のいいカテゴライズである。
ただ、奇跡的に友情が成立するとは思わずに、異性間の友情を冷静に線引きしなければ、
友達以上恋人未満ってグレーゾーンが結局できてくるんじゃないの、と思うわけです。
それか開き直って異性友達とは、そうなる可能性があるって思えばいいのに。