綿雲

いい事が起きた後は、何となく構えてしまう。
新しい事を始めようとしたときや、嬉しいことが起きたとき。
何となくの胸騒ぎを覚えたら、必ずと言っていいほど的中する。
恐いのは、いい事が不安に覚えるということなのだ。

私の土曜日は、もうすぐ私の誕生日が来るということで
義母から贈られるプレゼントを銀座まで買い物に出た。
『女性は1つだけでも、良いバッグを持ちなさい』
義母の言う通り、人生で初めてブランドのバッグを持つことになった。
私は、ブランドに興味が無いわけじゃない。
ただ自分の相応に合ってないものを持つのは、信条じゃないだけだった。
みんなが持っているから欲しいという気持ちにはならない。
いつか、それに見合う自分になったら自然に持つだろうと思っていたのだ。
だから二十代後半にして持つという流れは、本当に嬉しかったし
何より、そんな高価なものを贈ってくれたのが義母なのだから
私には涙が溢れてしまうほど感激する出来事になった。

しかし、やっぱり不安は的中してしまった。
今朝早くから、母の電話で私の日曜は暗くなったのだ。
妹の旦那さんのお母さんが脳死という連絡。
妹はちょうど1年前に挙式を上げたばかりで、
私もそのお母さんとは面識がある。
何より、彼女はまだ若いのにあまりに突然だった。
もう意識は戻らない・・・・まだ、孫だって抱いた事ないのに。
人の人生は、どこで終わりを告げてしまうのだろう。
もし私の母だったら、もし義母だったら・・・・
そう思うと、何て彼らに声を掛けたらいいのか分からない。

何がどうさせるのか分からないけれど、少し情緒不安定気味である。
来月から始まる子宮の検査も、どことなく不安にさせる。
そして、この月は私にとって哀しい月でもあるからかもしれない。
沖縄

ここでは、星が少ししか見えない。
田舎に住む祖母のほうでは、今にも掴めそうに星は降っているのに。
そういえば、沖縄では星が大きく光っていた。
息子が嬉しそうに云っていたのを、私は思い出した。

息子が三歳の頃だっただろうか。
母の家から帰る時、息子は空を見上げて云った。
『ママ、星が少ししか見えない』
私も見上げると、確かに昔から比べると少ないかも、と思った。
『本当は、もっとあるんだよ。』
なんで見えないの?という息子の返事に、私はどう説明しようか迷った。
空気が汚れて星を見えなくさせるんだよ、と息子に云うと
『じゃぁ仕方無いね』
諦めた調子に、私は本当に仕方無いんだろうか?と思ったのだ。
息子に伝わるか分からないけれど、私は息子に話した。
『あなたの好きなウルトラマンや仮面ライダーは、敵と戦ったとき
 負けそうだからって、逃げたりする?』
『そんなこと、絶対しないよ!!』
『それじゃぁ相手が強いからって、戦うのを諦める??』
息子は、小さな頭を振って否定した。
『あなたが諦めたら、星はどんどん見えなくなっちゃうよ。
 正義のヒーローだけが地球を守るだけじゃなくて、
 ママはあなたにも守ってほしい。だから諦めないで。』
息子は、うん分かった、と云ってくれた。

あれから、何年も経ってしまったけれど。
息子は忘れていないだろうか。
星空を見上げるたび、私には幼い息子の声が聞こえる。
それから何度も、あの時の会話が繰り返されるのだ。
今日の仕事は、おつかい・・・です。
会社で使う自転車を買いに行く2人の上司が、あんまりにも不安だったので
付いていった・・・・のが、本日のメインジョブだったのです。
ウチの会社は割とフランク、いや、フリースタイルな感じで。
むしろ、恐れられている部署ではあるわけですが。
例えば先日のバカンス明けで出勤した私のデスクの引き出しには、
書類が見えないほどお菓子が埋もれていました。
日々、みなさんで食されたお菓子がそんなに積もればあったわけです。
勝手に『おやつの時間』などが作られてしまうほど、無政府状態であるとは思います。
ですから、上司と云えども容赦ない私たちは手荒く扱ってしまうのも、
当然のなりゆきといえば当然なのでした。
そういったことを踏まえて頂ければ、自転車購入の際にも
ある程度のことは上司に尊重されるのが現状だと申すべきでしょうか。
上司2人の『ギアはあったほうがいい』というお言葉に、
私が返せたのは、『ギアの使い方が分からないから、いらない。』
上司の『でかいと置き場所に困る』とのお話に、
私は『デザイン重視だから。サイズの話をされても困る』
帰りに、私はみんなへお土産を差し入れしたかったので
『あ、みんなのお土産何にする?』と、一応、部下として相談してみました。
そして、暑いのでマンゴスムージーを6つ購入しようと提案。
もう、万札が無いと嘆く上司に、救いの言葉を掛けてあげました。

『大丈夫!!その財布内の予算で買うよう心がけるから!!』

そのとき、上司は一言呟いたのです。
『同じオフィス内の建物にいるのに、お土産って・・・・』
・・・・頑張れ!!上司!!