禅の言葉「不雨花猶落」 | 明日通信

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     「禅の言葉」  石飛博光と鴻風会◎書 永井政之◎監修

 

不雨花猶落(あめならずしてはななおおつ)

 ――真理はほら、そこにある――

 

中国・唐末期の禅僧 趙州従諗(じょうしゅう じゅうねん 778897年)が修行僧の「あさがおの花は露をため、あおぎりの葉は秋の色です。この現実からどんな真理を得るべきでしょうか」の問いかけに「雨など降らなくても花は落ちるし、風がなくても柳の絮(じょ いと)は飛んでいく、それがどうしたと言うんじゃ…」と答えたという。

 花は雨にうたれなくても咲いたときから落ちることが宿命なのだし、柳の種子は風がなくてもひとりでに飛んでいくのがその命の証し。理由などありません。それが天然自然の真理で無常というもの。

 「おぬしが見た風景は真理そのものではないか。なぜちゃんと見ない?」