桐谷健太がモンゴルへ | 明日通信

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 昨日、今日は原稿書きで部屋にこもりっきり。特に昨日は、朝9時前に二階に上がり、夜7時過ぎまで原稿と取っ組み合い。数回のトイレと昼3時前、昼食に下りたきり。午後のコーヒータイムも、家内に部屋に運んでもらった。

 夜7時過ぎ、「今日はおしまい」。晩御飯を食べながら7時30分からNHKのドキュメントフィルム「桐谷健太がモンゴルへ」。モンゴルの標高3000m山にしか棲まず、確認されているのはほんの数十頭。その「幻のユキヒョウ」を求め、現地に長期滞在し山や崖を登り降りしながらついに発見というフィルムにくぎ付けになった。

 特に共感を覚えたのは、モンゴルの草原と山で過ごしていると「思考」が次第に細り「感覚」で受け止める自分があることに気付いたという、言葉をゆっくり探しながら語る姿だった。

 なにせ僕は戦中、何もない瀬戸内海に浮かぶ島の生まれ、ものごころついた戦後、まわりにあるのは海と山と畑。しかし際限のなく透明な夜明けの空、ストレートに降りかかる強い日差し、真っ赤な夕日、満天にちりばめられた星。僕だけでなく友人たちも親たちも、その中で見たり感じて来た。あの何倍も何十倍もスケールの大きいモンゴルの自然の中で桐谷は「感じ」、言葉も理屈も不用を知ったのだろう。

 感動的で癒されるモンゴルの旅のフィルムだった。