ある地域のイタリアン店オーナーからの相談がありました。
日本の一流イタリアン有名店で料理長を務めた経験を持ち、
地元九州にUターン帰郷したこのオーナー。
帰郷して、念願の自分の店を開店しました。
開店から約1年後、どうにも資金繰りが間に合わず、
私に相談をすることになったのです。
料理の味はとても美味しい。
特にスタンダードなパスタやニョッキ等は全国レベル。
斬新な料理というよりはスタンダードを守るスタイルで、
質実剛健な料理人のオーナーです。
立地が悪いので初めから苦労することは予想される立地に、
(周辺外観だけ見ると、青山や自由が丘の個人店のようです)
マネジメント能力の低い、料理畑育ちのオーナーが、
都会並みの集客を期待して人員を雇用し、
価格戦略、広告戦略等の知識も持たず、口コミで集客できることを信じ、
たまに来る見栄っ張りのお客に背伸びをさせて高額な売り上げを立て、
来店頻度を落とし、
更に敷居を上げて足りない売上を客単価で補おうとし、
見事にお客から恐れられる(金額的に)雰囲気を醸し出している。
相談時の現金残は4万円。
家賃は1カ月滞納し、
金融機関からの借入残が1100万、個人から350万、
金融機関には毎月12万返済、個人には3月末に全額返済を迫られている。
次の給料日の原資がなく、仕入れの支払い原資もない。
明日の売上、あさっての売上ですべて賄わなければいけない。
売上を上げる為には営業して連れてくるしかない。
この状況で従業員3人は(固定給にしているところが無知すぎる!)、
今更ながら、「外でビラ配りをしてもいいでしょうか?」なんてことを言い出している。
奥さんは腹に3人目の子供を宿し、お金を借りている相手方のアパートに住み、
自分の給料も出ないことが分かっているのに店を手伝っている。
奥さんは、「1000万以上の借金を抱えたときに覚悟はしていました」
とは言うものの、なす術を見いだせず涙が止まらない。
オーナーも奥さんを悲しませたくはないが、何をすればいいか分からない。
そんな時に「外でビラ配りしていいでしょうか?」と従業員がやる気アピール。
怒鳴りたくなります。
オーナーと従業員、全く別次元に居るんですね。
オーナー夫婦は閉店するか破産するかの恐怖で涙がこみ上げてくるのに、
従業員は「やる気をアピール」ですか?!!
その従業員に対して、私は瞬間的に怒りが湧き出ました。
「今、店が困っている状況は、今頃出した貴女のやる気で救われるものじゃない!」
「店を救おう、オーナーを救おうとするならば、今まで店に貢献できない割にもらい過ぎていた給料を、1割でもいいから返上しなさい!」
「これまでオーナーは自分の血を貴女に飲ませながら、自分は痩せ細って今にも死のうとしているんだ!」
「今、必要なのは輸血だ! 貴女がこれまで飲んできた店の血液を返してやれ!」
と、瞬間的に思いました。
しかし、危機意識の低い従業員を雇い入れた、危機意識を持たせることができなかったオーナーに原因があります。
それは分かっているんですけどね。
経営者なら共感していただける部分はあると思います。
さて、これからやること、どのようにすれば生き返れるかは説明しました。
このような状況でも再生できますし、させます!
オーナーの気力次第です。決断次第です。
本日、最終結論をいただきます。