飲食店は出店時の判断が大事だと、つくづく感じます。
商品や立地、マーケティングの話は次回に回して、
今回は初期投資についてです。
飲食店の初期投資金額の目安として、
昔から言われるのが「投資回転率」です。
「投資回転率」とは、開店に費やした金額の何倍の売上を一年間で上げているかという指標です。
開店するのに費やした費用の総額 × 「投資回転率」 = 年間売上
つまり、
年間売上 ÷ 「目標投資回転率」 = 開店に使える金額
なのです。
例えば、
開店までに1000万使った。
↓
年間売上は3000万だった。
↓
「投資回転率」は3回転です。 (3000万 ÷ 1000万)
20年前、郊外の大型店を開店する際に、
投資回転率は2回を切っていました。
年商2億円の店に、1億円以上のお金をかけていました。
マーケットに過当競争があまりなかった時代です。
豪華な店を作るほど集客も多く、平日80万、週末100万を売り上げるという売上計画が、
実際に達成できていました。
10年前、投資回転率は2回転を超えるようになりました。
大手のチェーンの投資回転率も2.2回だとか、2.5回だとかで推移していた時代です。
年商1億円の店を4000万で作っているということです。
この時代でも、居抜き物件を利用した出店はすでに盛り上がっていて、
実際私も居抜き物件を利用して投資回転率5回転の店を所有していました。
投資回転率5回転と言うと、当時では異常な利益が出ます。
通帳の残高を見るのが楽しい日々を送りました。
5年前、小投資で売上を立てる開店手法が当たり前になりました。
過当競争が激しくなり、投資回転率2回転や3回転の店を作ったとしても、
業態の寿命が見通せず、
大資本企業は強気に2回転、3回転程度の店を作りましたが、
小資本企業は小投資開店をするために、
空き店舗を取り合いました。
店舗寿命が短くなり、短期で閉店する店も増え、
ますます飲食店の投資金額を抑えようとする人が増えてきています。
現在、私は7回転以上の初期投資で抑えることを意識しています。
運が良ければ10回転も可能です。
初期投資300万で年商3000万。
繁華街立地であれば10坪を150万で作り、年商1500万、
年商1500万は月商125万、
月商125万は平日売上3万5千円、週末売上6万円です。
この売り上げの店を150万で作るのです。
半年で初期投資を回収させるのが目標です。
店舗立ち上げで商売をしようとしては、
作ってあげようとしても、150万円では作れません。
150万で作るには執念が必要です。
「絶対に赤字を出させないゾ!」という執念です。
後は経験と交渉力で可能となります。
「この店に1000万かかった」
という人の店を見ての私の見積もりが、
「400万程度で作れるな」
ということはザラです。
開店時はオーナーの財布のひもが緩みます。
夢とロマンが現実を妄想に変え、
店舗所有の喜びを得た後、営業でお金に苦しむ人を多く見てきました。
私の店の作り方は、
「絶対に赤字を出させない!」
という執念で行います。
そうしないと今の時代、安心して店の経営はできません。
飲食店は開店してから、戦いの始まりです。
開店時に使ったお金は、回収が終わるまで付きまといます。
燃費の良い、低い初期投資で開店させることで、
後々感謝してくれると思います。
これが私の店舗プロデュースの際のモチベーションです。