15の夜とHabit | abacus日記

abacus日記

〜ピンク髪のそろばん講師のブログ〜

3月17日に放送された「林修の初耳学」を、昨日、1週間遅れでみました。

見逃し配信、万歳拍手

トークゲストはSEKAI NO OWARI

前から好きだなぁと思っているバンドなんですが、昨年リリースされた「Habit」の歌詞にヤラレました。

 

人は何でも分類したがるし、分類しないと落ち着かないけど、それって悪い癖(Bad Habit)だよね

自分で自分を分類するなよ

 

そんなことを歌っているわけですが、ワタクシ「○○タイプ」と分類される(する)のが結構ニガテなので、Habitを聞いた時に「おー、よくぞ言ってくれた」みたいな気持ちになったのです。

 

Webマガジン「PRESIDENT Online」で、2023年下半期に良く読まれた記事BEST5に

「盗んだバイクで走り出す」の意味が分からない…尾崎豊「15の夜」に若者が共感できなくなったワケ

というものがありまして、記事の内容は、社会の変化に伴う若者世代のストレス反応の変化について、精神科医の方が解説したものでした。

ざっくり要約すると、受験や出世などの競争に勝つことである程度幸せが約束されていた世代は闘うものが明確だったので、何かあると熱くなる人が多かったが、何のために闘うのかも分からない今の時代は、静かに諦めたり無気力になる傾向がある、というもの。

 

尾崎豊がシングル「15の夜」でデビュー、瞬く間に「同世代のカリスマ」と呼ばれるようになっていった頃、私は中学2年。

ド直球・ド真ん中で「尾崎世代」だったのですが、私自身は盗んだバイクで走りたいとか、夜の校舎で窓ガラスを壊して回りたいとか、そんな願望はカケラも持ち合わせていなかったので、実は尾崎豊には全く共感できませんでした。

決して順風満帆で悩みのない健全な中学生だったわけではなく、むしろその逆だったのですが、外向きの攻撃性で感情を爆発させる子ではなかったということ。
なので、先のPRESIDENTの記事で言うなら、中学生の私は「令和の若者」に近い感覚だったと言えそうです。

当時、尾崎豊があれだけ支持されたということは、「盗んだバイクで走り出す」という歌詞に共感した若者が多かったという事実の裏付けなんだろうけど、それを実際にやってた子達はほんの一部。

それでも、こういう記事の見出しを見た時に「1980年代に若者世代だった人たちは、みんなエネルギーを外に向けて荒れていた」と括って理解したような気分になっている人がいると、なんだかなーと思うわけです。

※注:記事の著者はそんな人じゃないです。世間一般に「記事の内容を読まずに見出しだけ見て誤解している人が結構いるよね」ていう指摘をしたつもりです

 

逆もまた同じで、「イマドキの若者は内向きですぐ諦める」を全体像として認識してしまっているのなら、それもまた「なんだかなー」なのです。

環境が性格の形成に与える影響はもちろんあるので、時代の傾向があることは否めません。

しかし、リアルに子供たちや若者たちと対峙する立場にある人は、識者が語る「イマドキの若者」というカテゴライズを鵜呑みにするのは危険だなぁ、と思います。

なぜなら「イマドキの若者は○○○なはず!」という決めつけ(思い込み?)で関わると、相手がその傾向から外れていた場合、絶対に分かり合えないばかりか、むしろ溝ができることになりかねないから。

 

ていうかね、人相手に仕事をする人は、「個」をみていくことに手を抜いてはいけないのですよ。

そりゃ「イマドキの若者」で十把ひとからげにできるなら楽だけど、目の前にいるその人は「イマドキの若者さん」ではなく、ひとつのパーソナリティ。

他の誰とも同じではない、唯一無二の存在として尊重されるもの。

「イマドキの若者は…」ていう話は、参考書にはなるけどマニュアルではないってことです。

緑のボタン押したら動くよってマニュアルに書いてあったら、緑のボタンで必ず動くのが機械だけど、緑のボタン押しても動かん人はおるからね笑

でも、そういうのが「人」なのよ。

これから新入社員を迎える上司の方たちには、そこ分かってて欲しいな〜、と思います。

 

 

「Habit」の歌詞、後半の方にこんなフレーズがあります。

ー君に君を分類する能力なんてないー
「イマドキのXXX」というカテゴライズにマッチしていない自分がいたとしても、無理にそこに合わせにいく必要もないし、マッチしていないことで「私って変なのかも」と思う必要もない。

「個」として生き、「個」として相手を尊重する。

そんな日常を大切にしたいものです。

 

余談ですが…
Habitってダンスも面白いんだよなぁ〜

隠し芸的に、ちょっと踊れるようになってみたいゲラゲラ

 

 

 

仕事を楽しむためのWEBマガジン「B-plus」西日本経営者インタビュー