今までのタネ開発は、地道に人の手や勘を頼りに気の遠くなるような工程を経ていました。植物のDNA解明が進みどのDNAがどういうふうに作用するか分かって来ており、タネの組わせで特定の特徴を出したり無くしたりとスーパーコンピューターでシミュレートできるようになりました。
例えば、牛のエサ用にできるだけ短期間で大量の炭素を同化させることやシロップを生産するために糖度を上げるなどと用途や生産地の気候に応じてカスタマイズができるようになりました。
ゲノム解析とスーパーコンピュータによりタイの気候にカスタマイズされた種の生産性は飛躍的に上がり、関わってきたソルガムのプロジェクトでは75日で5,6メートル育ちます。既にスーパーに並んでいるお米にも同じ技術が使われており、タイでもそこそこおいしい日本米が安く手に入るようになりました。
タネを現地の気候にあわせて作ることができれば、無理をせずに有機農業ができるようになりそうです。