パイロット解雇されました。
以前の記事でもお知らせさせて頂いたのですが、9月に勤める航空会社からコロナでの需要不足を理由に一時解雇を言い渡されました
会社自体の利用率、そして収入自体が激減した中で、多くの仲間と共に解雇されたのは致し方ない事だと思っています。
会社からは「2~3年は前の状態に戻らないだろう」と言われていて、逆に航空業界しか経験していない自分にとっては、他の分野を経験するいい機会だろうと思っていました。
特に世界中で助けを必要としている人々を支援しているようなNPO(非営利団体)の活動に携わりたいとずっと思っていたので、「そんなNPOで仕事をできたらな」と考えていました。
自分は訓練した航空学校で、卒業後すぐに教官として雇われたので、これといって就活を経験していませんでした。ここにきて人生初めての就活。
今までパイロットという仕事を通して培った能力、それに国内最大手の航空会社というお墨付き!面接官を含め、新たに会う人達にも「へぇ~、パイロットなんだ!すごいじゃん!」と言われて、きっと次の仕事が見つかるのにもそこまで苦労しないだろうと思っていました。
しかし...
現実は甘くはありませんでした。
まずNPO自体、コロナ禍で支援、収入が減っていて、新規採用をしている所は多くありませんでした。
その上、その分野の大卒の資格が必要になってくるケースが多く、航空科を専攻した自分には応募資格さえない...さらに「業界での経験年数〇〇年」などの応募資格にも苦しめられました。
大学で人文地理学を副専ことや、多様性・国際性にあふれる自分の過去をアピールし「最初は無給でも全然構わないので、ボランティアとしてスタートさせて経験を積ませて下さい!」と履歴書を送っても、返事さえ帰ってこない日々。
6月くらいから少しずつ就活を始めていたのですが、いっこうに返事さえもらえないまま数か月が過ぎてしまいました。
そろそろ解雇の通知が来るかなと考えていた夏の終わり。もうNPOに絞っていられない!ということで将来役に立つスキルが身に着く分野で職探しを始めたのですが...
やはり家庭を支えるギリギリラインの年収300万を超えてくると、どうしてもその分野の資格や経験が必要に。
ならばと経験なしで、きちんとトレーニングをしてくれる会社を探すことに。eコマースの大手の最終面接でも、「能力あるし、ぜひ雇いたいんだけど」と言われるのですが...
「もし航空会社から2年後に、戻って来いと言われたらどうする?」
この質問で何回落とされたことか....
やはりトレーニングするからには長期的な人材を探していて、数年で辞めるのが分かっているパイロットを雇ってくれる会社はありませんでした。
まさか「国内最大手の航空会社」が履歴書での減点ポイントになるとは思ってもみなかったです。やっぱ考えが少し甘かったんですね。
毎日のように違う会社に履歴書を送り、返事さえもらえない日々。ここまで辛いものなのかと、今まで積み重ねてきたすべてが、社会に受け入れられないような感じがして結構へこみました....
....
....やばい...
....
そんな中、会社用のアカウントに一通のメールが届きました。
それは、勤めていた航空会社の子供を支援するチャリティー財団からのメールで、パートナーのひとつである大手NPOが、コロナで困っている人を支援する人員を探しているとの内容でした。
実はこのNPOには、他のポジションですでに応募して返事さえもらえていませんでした。そこで、財団の方から紹介して頂けないかお願いすることに。
そしたら数日後にNPOから返事が!電話での面接。そして...
採用されることに!!!
ポジションとしては、コロナの感染が広まってしまった高齢者介護施設、そしてPCRテスト会場やワクチン接種会場での人員支援で、主に人手が必要な所に派遣されて手助けをする仕事です。
そして最初は高齢者介護施設での支援のために、11月の末にトレーニング、そして12月から実際に施設での支援の仕事を始めました。
常時コロナ患者のサポートをする、最前線での仕事です。
そのことに関しては、また別の記事を書こうと思っていますが、助けを必要としている方、そしてそういう人達のために一生懸命に働いている施設の人達と仕事でき、非常にやりがいのある仕事です!
最初の目標でもあったNPO、とくに困っている人達のための仕事が見つかり、とても感謝しています。
また、家族を含め多くの方から励ましのメッセージを頂き、非常に感謝しています。温かいお言葉の数々、ありがとうございました!
2020年は辛い激動の一年でしたが、それをチャンスに変えれたことは大きく、2021年も感謝することを忘れずに、しっかりと新しい環境で学び、成長することに励みたいです!
そして、その日が来るまでユニフォームはしまっておきます...