前の記事で少し書いたのですが、残念ながら9月1日付で一時解雇となってしまいました。

 

COVID19のおかげで飛行機の利用率が前年比で95%落ちてしまった以上、仕方のないことだと思っています。カナダでは、COVID19によって売り上げが一定程度落ちた企業に対して、政府が雇用を守るために従業員の給料を最大75%カバーする対策もしていたのですが、それでもうちの会社は従業員の健康保険などのコストがかかることを理由に解雇に踏み切ったみたいです。逆に他の会社では、飛ぶ機会もないまま家で給料だけもらっている人もいます。

 

北米の多くの航空会社ではセニオリティー(年功)がすべてで、一年半前に入社した自分は、4200人ぐらいいたパイロットの内の下から500ぐらいだったので、9月までもちました。春ぐらいから解雇の話は出ていたので、逆にここまで飛べていたことに驚いています。それでもパイロットはまだいい方で、フライトアテンダントは23年勤めていた人まで解雇になるなど、大幅な削減を見ました。

 

自分の会社では定期的にベースと機種ごとにパイロットが何人必要になるかのレポートを出し、それを基にパイロットたちは自分のセニオリティーでとれるポジションに就きます。大型機や人気の都市/ベースで働くには、それなりのセニオリティー、つまり長年この会社で働いている必要があります。去年の最後のレポートによると、800人程度パイロットを雇わなくてはやっていけないほどのパイロット不足だったのが、最新のレポートによるとCOVID19前の数から一気に800人もいらなくなるほど運航数が激減してしまいました。しかもこの数、2年後の夏の需要を見込んでのパイロットの数なので、2・3年は会社に戻れないかもしれないという事になります。それほど、COVID19が航空業界に与えた影響は大きいものでした。

 

航空業界は、10年に一度は解雇の波が来ると言われているので、第2のプランを持っておく大切さも思い知らされました。強がりに聞こえるかもしれませんが、自分は今まで航空関連ばかりの仕事をしてきたので、今回は逆に今までやってみたかった事にチャレンジする良い機会と思っていたりします。将来的な夢の役に立つような仕事だったり、普段から使えるようなスキルが身に着くような所で働けたらと思いながら職探しに励んでいます。

 

欧州では感染の第二波も広がり、再度のロックダウンの話も出てきています。世界の航空会社では、パイロットを含め多くの人が職を失ってしまいました。日本では、まだ大規模なパイロットの解雇にはなってないようですが、ユナイテッド航空がフライトアテンダントの成田ベースを閉鎖する事にもなり、日本の客室乗務員も失職の恐れがあるなど、航空業界での更なる解雇も否定できない状況かもしれません。

航空業界には依然厳しい状態ですが、前のように安心して飛べるように、一刻も早くコロナが収まってくれることを願っています。