誰かが植えた。
少なくとも
初めは。
完成形を
正確には描いていなかった
かもしれない。
小さな夢のつもりでいた
かもしれない。
小さくていいと思った。
大きく膨らんだ。
ベランダ。
住宅街の路地。
コンクリートの割れ目。
私は自分の
半径数十センチの範囲で
ぐるり数歩
円を描いて
種が一粒
入る場所を
種と一緒に探すよ。
それでも
道道で
予想を超えて根付いた
色とりどりの花に出会う。
そういう目になってるからね。
散歩も
それ自体も
大きく枝葉を広げて、
散歩から
やがては旅になった。
小さいのから大きいのへ。
価値は同じよ。
そう、相似形。