毎年、書いてきた。
7月8日(木)
蝉が鳴いた。
昼にザーッと降った雨の
その瞬間に。
前にもこんな事あったね。
雨に撥ねられるように鳴いた
初蝉。
『曙光』
6月9日の “ 旅 “ は終わり。
写真はその選外だったもの。
置いてけぼりのその写真を
見ながら聞いたらハッとした。
大きなちがいのもあれば
小さなちがいのもあるよ。
選ばれた理由。
選ばれなかった理由。
その時のその選択が
今日はもうしっくり来ない
なんて、しょっちゅうよ。
でも、すごくよくわかる。
あの時の選択はよくわかる。
っていうのもあるものよ。
かの夏と同じように
鳴き始めた蝉の
かの夏と同じように
たった一回きりでその後
雨の中で静かにしている理由は
何かに気づいたから。
雨ではなかった!
まるで、そう!
雷に打たれたように
鳴いたのに
この大雨の中でも
今日は鳴かない。
毎年書いてきたから
同じ子だと思うふしあり。
おかしいね。
応じる声がなかったかな。
気づいたんだよね。
自分だけ早かった。
7月9日(金)
いずれ来る良い日のための今日
があってもいい。
大きな人のジーンズの繕い。
初蝉の毎年の記録。
重ねた糸はいよいよ面白く。