にぎやかな食卓でも薔薇のように | あしたうさぎ の 散歩日和 ー と 衣食住、ときどき好きな事。ー

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旧タイトル
あしたうさぎの朝ごはん ー野菜ごはん、ときどき、好きなこと。ー

足りないものを補い身体を整える朝ごはん・・・の事を書いていたけど、2020年から以外の事を書く機会が増えました。写真の著作権は放棄していません。ご使用ご希望の際はご相談下さいね。

 

 

 

 

先週の日曜日は映画のお出かけではなかったな。

 

 

 

 

でも今週の日曜日はまた映画のお出かけ、

 

今回はいただいたチケットで観に行きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山田洋次監督が作品の中で描く登場人物は

 

その誰もが愛すべき人。

 

 

 

それをまたも思い知らされた内容でしたが、

 

 

 

 

今回は物語の中心の人物に感情移入する時間が

 

今までよりも私、自ずと増えました。

 

 

 

 

前作まででも、

 

「どこか損をしているのではないか」と

 

観ていても「彼女」のことが気になって気になって仕方がない人、

 

きっとたくさんいたのだろうな。

 

すこし描かれ方が薄いような気もしていたでしょう。

 

 

(こんなふうに山田監督の映画には

 

 控えめな人がかならずといっていいほど出てきて、

 

 それをその控えめな姿のままで描き切るのも当然で。)

 

 

 

 

でも彼女の魅力や素晴らしさを

 

まだちゃんと描ききってないのではないか。

 

という監督の「職人」としての執念が今回の映画を生んだのかな。

 

 

(社会のすべての人に愛情を持って目を向けることを

 

 意識している方だから、このままだとこの映画の続編も

 

 いくらでもできそうな・・・。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでもね、

 

この映画にしたって全員の気持ちに共感できるところが

 

あるのが相変わらずすごいのです。

 

 

「あ!こんな人、まわりにいるいる!」と

 

思える人ばかりなのが本当にすごいのです。

 

 

 

 

「だめだなあ。」「あともう一歩足りないのが残念。」

 

という人ばかり、でもどの人も憎めないということも

 

またすごいし、

 

やっぱりその人たちを責める気にならないように、

 

ひとりひとりを描き切る愛情があふれているのがすごい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寅さんがそうでしたね。

 

あまりの不器用さに、

 

「もうちょっとうまくやれたらいいのに。」と思うけれど、

 

それが人間。

 

 

(「情けが深くて器用」になるのには

 

 すこし修行が必要なのかもしれません。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて写真は3月27日の朝ごはんです。

 

 

 

 

里芋か、

 

セレベスか。

 

 

 

 

そのどちらかのグラタンです。

 

 

 

 

 

 

 

蒸したお芋をこの琺瑯に入れてグラタンの中身を作って、

 

そのまま上にパン粉をのせてオーブンで焼いたような・・・

 

気がするな。

 

 

 

 

茶色く色づいているのは玄米酒粕、

 

チーズの代わりです。

 

 

 

 

 

お芋と玉ねぎと(生の)ひじきを

 

オイル(オリーブ?なたね?)で炒め、

 

全粒粉をまぶして豆乳、(どこかで塩胡椒)・・・という

 

いつもの私のグラタンの作り方。

 

 

 

それに合わせたのはどこかで2つだけ買ってきた

 

なにか柑橘の入ったスコーンと

 

作り置きの人参のサラダ(塩レモンとオリーブオイル)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこの人参のサラダが

 

今回の映画

 

『 妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ 』の物語の中心であった

 

史枝(夏川結衣)さんのような気がしてならないのですよ。

 

 

 

 

グラタンやスコーンはそれぞれが

 

橋爪功さん、西村まさ彦さんかな?

 

 

でももしかしたらスコーンは

 

まだこの家ではアイドル的存在の蒼井優ちゃんかもしれない。

 

妻夫木君がかつての夏川さんのことを熱く語った言葉に、

 

「ずっと前・・蒼井優ちゃんの前は彼女がスコーンだったのかも」とも

 

思います。

 

 

 

 

 

 

吉行和子さんは豆乳を入れたコーヒー。

 

(もちろん彼女もきっと昔はスコーンだけど。)

 

たぶん今はもうあまり男性陣に深く関わろうという位置からはぬけたような・・、

 

でもにんじんのサラダと一緒、

 

ほかのものとも一緒。

 

 

もとは血のつながりなどないところに来て

 

家族になったわけだけど、

 

そこから子供たちを立派に巣立たせた今となっては

 

すでにいつもそこにいなくてはならない存在です。

 

 

 

 

(この映画の役者さんたち好きな方ばかりだけど、

 

 今の男性の役者さんではたぶん一番好きな橋爪功さんが観たくて・・、

   

 が山田洋次監督の作品であること同列、私が観に行った大きな理由です。)

 

 

 

 

 

 

さて朝ごはんのこと。

 

この写真の3月27日は桜の頃でした。

 

 

 

今年は早かったですね。

 

その当時のいくつかの記事はあとから「限定記事」にしてしまったのだけど、

 

桜を毎日見に外へ行ってました。

 

 

 

 

 

 

 

 

トマトも生で食べるつもりで買うのは

 

この頃が今年初めてで、

 

 

 

レタスも買うのは、

 

今年初めて・・・だったかも。

 

 

 

 

 

 

私も、

 

高校生の頃の買い物はもちろんこういうふうではなかったです。

 

 

こういう感じになったのはちがう部分で負ったものを

 

食べ物の力でどうにか・・・と思うところが

 

出てきてから。

 

 

 

 

 

 

食べ物の部分では実は「なんでもこーい」の人になってはいるの。

 

 

でもまったくほかの面で

 

器用ではなく、頑固だから、ということ。

 

(それでせめて食べ物でとどこおるものを出せないか・・・と。)

 

 

 

 

 

でも、大人、

 

それも最近になって同じような不器用さんに

 

次々に出会ったり、

 

再会するようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

でもそれとは反対にすごく器用な人にも

 

出会うようになりました。

 

 

 

 

(ハヤシライスの土曜日、九州のKちゃんが送ってくれた

 

 義弟さんの勤めるという会社の焼酎を水割りでのみました。

 

 日曜日の映画のあとも夕食はこの日の残りで同じように。

 

 血のつながりのなかった他人だった人たちが家族になって努力をして

 

 それを続けていく姿が遠い場所にもあります。)

 

 

 

 

 

 

 

不器用な部分ばかりだとだめだけど、

 

たとえば私のごはんは「組み合わせ」(献立)を

 

とても大切に思っていて、

 

 

 

そういう部分ではすこし器用にいたいと思います。

 

(たとえばスコーンの中の柑橘を思い、

 

 それに味の合うはずのにんじんのサラダを出してくる、とかね。)

 

 

 

 

 

決してどれかひとつを食べ続けるのではなく、

 

「三角食べ」を推奨したいごはんがきっと多いです。

 

それで初めて満足する、というような。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

器用すぎるもの。

 

もしかしたらそれはここでは

 

とても美味しいスコーンかもしれない。

 

 

でも、それだって

 

スコーンだけをたくさん食べてお腹を膨らませても

 

口がパサパサと乾いてしまうから、

 

サラダの瑞々しさや酸味、

 

コーヒーが口を潤す必要があるし、

 

グラタンの塩気に甘さを引き立てられることだってある。

 

 

 

 

 

 

 

映画のラストには号泣。

 

 

寅さんではさくらがお兄ちゃんを追いかけるシーンで

 

お客さんはみんな涙が出るのですよね。

 

(寅さんの不器用さがせつなくて。)

 

同じ涙です。

 

 

涙の塩気も物語全体の甘さやあたたかさを

 

ひきたてます。

 

今月も観たい映画(好きな監督の映画)の公開が

 

まだほかにもいくつか控えていますが

 

山田監督やっぱり ”大好き” です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薔薇はまだない時期でしたね。

 

スコーンはグリルでカリッと焼戻し。

 

それでいつものように

 

焦がしちゃったので裏返しにしています。

 

 

つややかな面をお見せできないのは残念だけど

 

ほどよい甘さとくだもののみずみずしさをあわせもった

 

スコーン。

 

ちょっとうらやましくもある。

 

この美味しさはまちがいないものなあ。