ギータちゃんが夫と夫の
兄達家族と一緒に暮らしていた時、
夫達の家には一羽のオウムが
いた。
一緒に住んでいた夫の姪や甥が、
「オウムって喋るんでしょ、
オウムとお喋りしたいよぅ。」
と、お父さんにねだり、
オウムを買ってもらったわけだが、
子どもたちがいくら話かけても、
このオウム、言葉は覚えず。
オマケに気性が荒い。
なぜだか動物に好かれる
夫だけが、このオウムと
仲良しだった。
例えば、
夫は自分の指からこのオウムに
ジャムを食べさせる
ことができたのだが、
姪たちが何度も同じことを
挑戦しても、オウムに噛まれる
ばかりで、姪たちの指から
決してジャムを食べさせることは
できなかった。
そして、ついにはオウムは、
夫に話かけるようになったのだ。
「ギーテ
ギテ ギテ ギテ ギテ」
オウムが唯一覚えた
言葉はなんと、
お手伝い少女の名前だった。
兄嫁がいつもギータのことを
ギーテと呼んでいるのを
オウムは覚えて
しまったのだ。
続く
