田野ゼミ【変形性股・膝関節症】 | 芦田天文子〜千葉の健康運動指導士のブログ

芦田天文子〜千葉の健康運動指導士のブログ

千葉の健康運動指導士
芦田天文子のブログ

千葉フィットネスコミュニティの今年より開始した新しいシステム、ゼミ。

昨日はそのゼミの田野ゼミ【変形性股・膝関節症】に参加してきました。



 

1.そもそも、なぜゼミ制が始まったのか?

 

千葉フィットネスコミュニティの勉強会は隔月で開催されています。

千葉フィットネスコミュニティHP

勉強会のテーマはメンバーが興味を持ちそうな内容で、実技・座学、または技術・知識に偏りがないように運営が企画しています。



そして、講師は千葉フィットネスコミュニティのメンバーの中から選定をし、簿謝で90分の専門的な講義をしていただいています。



なるべく沢山の方に学ぶ機会をご提供できるよう参加費を1,000円に抑えているので、謝礼が少なくて申し訳ないのですが、今のところ、お互い様だよとご快諾いただいている状況です。


会場もaceさんに無償でご提供いただいていて、皆様のご協力によって成り立っています。

 

 

ただ、90分という短い時間の中で伝えられることも限られてるため、コミュニティの勉強会で聞いた内容を「もっとこの講師から勉強したい」というご意見をいただくことも多く、それならば、と3回完結のゼミを勉強会の後にセットする運びとなりました。

ゼミはワークショップとしてはかなりお手頃な受講料で設定をし、私たち運営も参加するときは参加費をお支払いさせていただています。

 



2.田野ゼミについて

 

田野ゼミ、気安く呼んじゃっていますが、千葉市にあるRelationsというジムを経営されています、合同会社Style Up代表で理学療法士の田野正洋さんという大変素晴らしい方が講師のゼミで、4月からスタートをしました。

Relations



これは、3月にもコミュティで開催された勉強会

【運動器疾患を見抜く!腰痛の原因を見抜く】の回から発生したゼミです。


その時の田野さんの講義が大変良かったので、沢山の生徒がゼミに集まりました。



 

田野さんとは別の事業でもお世話になっているのですが、田野さんの知識やお仕事ぶり、またお人柄が素晴らしく、まさに千葉の運動指導シーンの宝だと思っています。

 



そんな田野さんのゼミ【運動器疾患を見極める】ゼミは、①変形性股・膝関節症 ②肩関節周囲炎 ③頸椎症、の全三回で構成されています。

 

 

3.第一回のテーマについて

 

変形性股関節症にしても、膝関節症にしても、疾患の進行とともに痛みは増悪し、身体全体のアライメントを悪くし、関係のないところまでが痛くなったりして、著しくADL(日常性生活動作)を低下させます。



そんなクライアントさんと向かい合ったその時、私たちがまず何を考えるかというと、アラライメントを良くする、動きを良くするといった視点でエクササイズやストレッチを指導すると思います。

 


しかし、その痛みをかばって歪んだ姿勢は、痛みがある中でも何とかバランスをとって動くためのギリギリの姿勢保持であるため、良かれと思って拘縮した筋をほぐしてしまうと、むしろ患部の痛みが強まったり、動けなくなってしまったり、と言った矛盾が生じます。

 


では、どうすれば良いのか、というところですが、バイオメカニクス的な視点で考え、力学的なストレスを軽減させるアプローチをとりましょう、という田野さんの手法を座学・実技で学びました。

 




 

ピラティスの姿勢評価から運動処方のアプローチは、理想的な姿勢(ideal posture)と照合して身体の各所の筋の強弱を見極め、強化と引き伸ばしのエクササイズを指導する流れです。



静止した立位での評価、そしてマシンを使用しながらの動的な評価、という事になりますが、経験の浅い指導者はその誤ったアライメントや動作パターンが何によって作られているのか見極めるのが難しく、マシンピラティスの指導の現場で(私も思い当たるのですが)内旋している人にはコレ、過伸展している人にはコレ、と画一的な指導になりがちです。(もちろん経験豊富な指導者は、問題の起きている場所を素早く見極め、適切に指導できます)



 

そうなると、一見姿勢は良くなるものの、痛みが軽減することが無く、クライアントが求めるような効果は与えられ辛いと言った矛盾が生じがちです。




今回、股関節の形状によって、「膝とつま先の向きを揃えて」「腰椎が過伸展しないように」などと言った画一的な指導は逆効果になりかねない、という危険を知りました。

 

 




もちろん、グループ指導においては、6割の人が当てはまるエラーについて触れて指導する事は妥当なことであり、グループレレッスンがポピュレーションアプローチである以上は仕方がない運命でありますが、「それに当てはまらない人も多くいる」と知っているか知らないかだけでも言葉の使い方は変わってくるでしょう。




 

疾患を持たない人でも、人の体の作りは多種多様であり、「こうするのが体に絶対いい!」と断定的に言えることは少ないと思います。



これはエクササイズでも、栄養でも同じであり、管理栄養士や医師の講義を受けた時も先生方は同じ事を仰っていました。



指導上の責任もそうですが、発信の責任もありますので、本当に気をつけなければいけないと実感しました。





田野さんは分かりやすく丁寧に教えてくださり、Facebookグループでの症例相談などフォロー体制も手厚く、このゼミに参加して良かったと思います。

(丁寧に質問に答える田野さん)



肩関節周囲炎を扱う、次回のゼミが楽しみです!

 千葉フィットネスコミュニティの方なら単発受講も可能ですので、気になる方は私まで声をお掛けくださいね。