行き当たれば哲学 | 芦田天文子〜千葉の健康運動指導士ブログ

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じっくり観察をする事から問題解決に入っていくというオリジナルの手法を持つコンサルティングファーム、レッド・アソシエイツについての記事をNewspicksで読みました。(有料記事、ただいま10日間プレミアム会員無料体験できます)


経営難に陥ったレゴ社を立て直した事例が書いてありました。
ありがちな市場調査では手詰まりの状況だったレゴ社にレッド・アソシエイツが入って行ったことは、まず子どもの行動観察。
一緒に遊んで、父母にインタビューをしてどのような遊び方をしているのか観察したのです。


子ども遊び方は一人一人違います。
子どもという集合体ではなく、その個々人がどんな体験をして何を感じているのかを観察し、因果関係やコンテクスト(文脈)を理解します。
この因果関係やコンテククトの理解はAIにはなかなか出来ない事だと思います。
だって、スマホを開くと出て来るリコメンドって、購入や検索履歴から抽出しているのでしょうが、ちょっと的外れなことが多いじゃないですか。


これを読んで私が思い出したのは、以前に訪れたデザイン思考のコンサルティングファーム、IDEO。
デザイン思考のフィールドワークはやはり徹底した観察です。
複数の消費者の行動を観察することにより、その裏にある文脈を類推します。
ここは個々人の違いはもちろんありますが、観察人数を重ねるうちに大きな塊が見えてきます。
それが問題解決なのです。



もちろんデータ中心による解析も大切です。
しかし人間が感情というものを持つ生き物である以上、データでは計り知れない文脈をそれぞれ持っていて、そういった文脈があるという事への理解を持つ人間が、今後のAIが発達した世の中で生き残っていける人間なのではないでしょうか。


先のNewspicksの記事にもありましたが、人それぞれの多様性を認める事は、突き詰めると哲学に繋がっていきます。



化学や物理の研究者、そして一流の経営者はみんな口を揃えて究極の学問は哲学だと言います。
それは哲学ありき、という事ではなく、物事を突き詰めて考えていくと倫理や心理の問題に突き当たり、その解は哲学にある、といった具合です。
解が哲学にある、というよりは解が無い事が哲学とも言えますが😅

子どもの高校の校長先生は有名な哲学家なのですが、事あるごとに子ども達に哲学を説きます。
子ども達は話が分からなくて辟易しているのですが、高名な卒業生が学校で講演をして下さるとみんな口を揃えて、「あの時校長先生が言っていたことが経営者になって分かった」と言います。
行き当たれば哲学、なのです。



とかく実学ではないと軽く見られたりする人文学系の学問ですが、いま再注目されているのはテクノロジーの進化という時代背景があっての事で、予測不可能なこの世界でやはり無駄な学問は一つもないんだなと実感した次第です。


大学で哲学の授業がありましたが、殆ど寝ていた芦田がお送りしました(笑)
これから勉強します。


偶然にもコーチングの勉強で行き当たった省察とエスノグラフィーの過去記事がありましたので貼っておきます。