高齢者運転の自動車死亡事故は増えている? | 健康運動指導士〜芦田天文子のブログ

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先日も高齢者が運転していて歩行者をはねる事故が報道されていました。
事故は大変痛ましいものです。
お怪我をされた方にはお見舞いを申し上げます。

さて、ここ数年、高齢者運転の「アクセルとブレーキを踏み間違える事故」について頻繁に報道されています。

報道の多さから、高齢者運転の死亡事故が急増しているような印象を受けますが、果たして事実でしょうか。


内閣府の【高齢者に係る事故防止】の資料を見てみましょう。



高齢者の人口が増えたことにより、高齢者の免許保持者数は増加しています。
平成20年が304万人に対して、平成28年は542万人、今から3年後には600万人に増加すると予測されます。

年齢別の高齢者運転の死亡事故数は30歳代〜74歳までは3〜4万人で特に年齢別の変化は無し。
ただし75歳以上は8.9万人と、他年代と比較して大変多くなっています。

それでは、最初に申し上げた75歳以上の死亡事故数は増えているのか、の問いに対しては『75歳以上の死亡事故件数及び割合』のグラフを見てみます。


割合に関しては平成20年が全事故数の8.7%に対して、平成28年は13.5%、上昇傾向です。
しかし、事故数を見てみると平成20年410件、平成26年471件、平成28年459件と、免許保持者の数が増えたにも関わらず微増です。

(事故は一件も起きない事が目標である事は付け加えておきます)



この資料から読み取れることは

・75歳以上の運転者の事故は他年代と比較して起きやすい
・高齢運転者は増加している
高齢運転者の事故率は低下している


という事です。


『FACT FULNESS』の本でも述べていましたが
頻繁に報道されていると、その事自体が多く起きていると誤認されやすいです。
たしかに事故は痛ましい事ですし、認知・運動機能が落ちた状態での運転は避けるべきですが、報道の裏で、何の問題もなく運転が出来ている高齢者が増えている事の報道は一切なされていなく、知られていません。


これって本当かな、と思ったら信頼できるデータを読んで自分で確認する事がとても大事だと、今回もつくづく思いました。