風のささやき 詩のblog

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小さな背丈の向日葵だ
5本ほど、こちらを向いて
まるでその人の霊前に
捧げてくれと
言ってくれているようだ

何を見ても
弔いにつながる
告別の記憶
まだ鮮やかで
この頃

朝方、公園の伸びた草を
一人刈る人を見た
大木に囲まれて蝉のなく
人の憩う場所

誰かに頼まれたわけではなく
大きな剪定鋏を黙々と動かす
その人の横には刈られた草の山

誰にも気づかれないかも知れない
けれど一人一人の心からの仕事が
この世を支えている

真っすぐな煙を立てて
燃える線香のように
静かに鳴いている蝉の声は
読経のようだ

弔いたい人がいる
思わずその木の下に佇み
合掌する