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風のささやき 詩のblog

オリジナルの詩を紹介しています。

# 1

夏のお昼時
空には銀の綿雲が
連なり重なり
青い空に映える

その近くにまで届こうと
時々空に向かって
飛ぶ鴎

願わくは
一度位は
僕にもその挑戦が
許されているのならば


#2

海は、浅い所と深い所で
色を変えている
深い所では青く黒ずみ、冷たい色だ

沢山の死を飲み込んでいるのか
そちらに吸い込まれそうになるし
けれど、近寄ることが怖い


#3


雲がかかると波間も陰る
陽が出ると一斉に波の上に
光が揺れ動く

どれが本当の海の貌なのか
見定めようと
その移ろう様に
目が離せないでいる

 

 

 

# 1

海原の白い帆
学生たちの練習

覚えたてのひらがなを
海の上になぞる
一生懸命な子供のようだ

透明な風
上手く捕まえる練習
やがて、残さずに帆に包んで
海の上を渡れるように


# 2

風を捕まえて膨らむ白い帆

見えないものを
捉えられる力は
僕も欲しいな

例えば何もない空間から
苦もなくカードを取り出す
魔術師のように
思いがけない
言葉を取り出したりしてね

残念ながら
僕には感じられないものが
あまりにも多いようで

羨ましげに
白い帆を見るばかりだ

 

 

※事も無げに見えない風を捕まえて

  進む力に変えられることが羨ましくて

 

※ 泡立つ白い波がまるで洗濯でもしているようで

   自分の汚れた心も洗いたくて

 

 

洗濯 1

春の海に心を洗い来たよ

泡立つ波に何度洗えば
心は綺麗になるだろう

真っ白に磨かれた貝殻になれば
少しは気分は
楽になるのだろうか


洗濯 2

春の海に洗った心

潮風に干され
少しは汚れも落ちた気がして

けれど
歩き出せばすぐに
心は乱れ
人に会えば垢まみれ

海はいつでも待っていて
また洗いに来れば良いと
言ってはくれる

何万回でも、何十万回でもと

そんなに長い時間が
許されているのならば