生保各社、医療保険や年金分野で告知を簡略化する動き
生命保険会社が医療保険や年金商品について、医的な診査や健康状態に関する告知を簡略化する動きが広がってきた。顧客に分かりやすい商品を提供する動きの一環で、窓販や通販での売りやすさを主眼に置く目的もある。職業告知のみ、あるいは告知なしとさまざまだが、簡略化されることで保険の加入者のすそ野が広がることが期待されている。ただ、免責期間が延びるケースもあるなど課題も生じ、各社とも注意喚起の方法などに留意しながら、丁寧に取り組んでいる。
アリコジャパンは7月10日、健康状態に関する告知項目を簡素化し、引き受け基準を緩和した医療保険「まもりたい」を発売した。従来の告知型の医療保険に加入できなかった顧客向けの内容で、17日には告知項目を2項目に絞った同様の引き受け基準緩和型終身保険「ずっとスマイル」を販売開始した。過去の病気やけがを理由にこれまで終身保険に加入できなかった顧客や現在、健康に不安を持つ場合も加入できるという。
また、アフラックが8月1日から発売する「やさしいEVER」も告知書に病状などを詳細に記入する必要がなく、簡素化された健康上の告知4項目に該当しなければ原則加入できる無選択型の終身医療保険になる。
損保ジャパンひまわり生命も1月15日、無選択型の終身保険を発売。
東京海上日動あんしん生命は2006年5月、特定の疾病について引き受け条件などを調整でき、一方で詳細な医療査定も可能な告知ハイブリッド型医療告知書を開発した。同社の医療保険商品にはすべて適用できる内容となっている。
年金分野にも動きが出ている。もともと変額年金の場合、一時払い商品が主流ではあるものの職業告知のみで対応してきた。
一方、定額年金に関して06年4月、第一生命が無選択型医療保険「ナイスセイリング」を発売。顧客に対する分かりやすさを主眼に変額年金のような変動がないため、告知なしの定額年金商品として発売した。
また、明治安田生命は8月2日、昨年9月に発売してから販売件数10万件を超えるヒット商品となっている「年金ひとすじ」の新たなバリエーションとして、職業告知のみで加入できる「年金ひとすじ ワイド」を発売する。これにより、これまで保険に加入しにくかった、健康に不安のある人も、簡易な告知で申し込みできるとしている。
告知を簡略化する背景には、02年の銀行窓販解禁などで、窓口の職員が説明するために分かりやすい商品にする必要性が生じてきたことも一因として挙げられる。実際、窓販では「職業告知が限界ではないか」という声も聞かれている。
また、通販チャネルで販促する企業は顧客への分かりやすさという視点から簡略化する傾向が出ている。もともと生保会社は多くの医師を抱えているため、告知なしでも第2、第3の方法で査定をする方法があるという。
一方、消費者センターなどに届けられる保険契約の相談のうち、「告知」に関するものが増加傾向にあることなども背景にありそうだ。
金融庁は「告知だけではなく、すべての商品説明において、誤解を招かないような取り組みに留意していってもらいたい」と話している。
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