ペパボと GMO-VP が「Second Life」にファンド設立、ビジネスプランコンテストも開催
ビジネスプラットフォームとしても注目を集めている3Dオンライン仮想世界「Second Life」にファンドが設立される。仕掛けるのは GMO グループの2社、GMO VenturePartners と paperboy&co.だ。両社が設立した「Second Life ファンド」が Second Life 内でのクリエイティブ活動やビジネス活動に対して、仮想通貨の“Linden ドル”ベースで出資・支援していく。
同ファンドの出資額は未定だが、まずは Second Life 内におけるビジネスプランコンテストおよびデザインコンテストを開催する。メイン会場は、paperboy&co.代表取締役の家入一真氏が Second Life 内に所有している「ペパボ島(URL:http://slurl.com/secondlife/paperboy%20and%20co/128/128/0/
)」だ。
■「Second Life ビジネス・デザインコンテスト」開催
コンテストの募集期間は2007年2月14日から2月28日まで、結果は3月14日に発表される。「ビジネス部門」と「クリエイティブ部門」があり、それぞれ大賞1名・副賞2名が選ばれる予定。
賞金は2部門総額50万L$(大賞15万0,000L$、副賞5万L$)。優勝者、副賞受賞者はコンテスト終了後、事業のスタートアップに向けて、相談の上で事業への出資、人材紹介、メディアプロモーションといった支援を受けることができる。
ビジネスプラン部門は、「Second Life の世界を活性化させ、ユーザーを楽しませることが可能か」「プランの実現に関する具体的なアイディア」「応募者本人のキャラクターおよび感性」などが審査基準となる。PDF、ワード、パワーポイントなどで作成したビジネスプランを contest@sl-fund.com
まで送ることで応募できる。
コンテストの対象となるのは、Seond Life 内で完結するビジネス案だ。例えばSecond Life への参入を支援するコンサルティング業務のようにリアルからバーチャルへ持ち込んだビジネスよりも、リアルには存在せず、バーチャルだからこそ成り立つようなビジネスが望ましいとのこと。
クリエイティブ部門の審査基準は、「実際に存在するモノに忠実か、または存在を超えるモノ」「Second Life 内で新しい価値や使い方または笑いが生まれるようなデザイン」など。こちらも作品に関する PR や所在地などを明記して contest@sl-fund.com
に応募する。土地を持っていないユーザーはペパボ島で作成することも可能だという。
対象作品には、3Dオブジェクトや音楽、ダンスなどのスクリプト、さらにゲームなどが含まれる。これらはすべて Second Life 内でユーザーが自由に作製できる。もちろんある程度の技術は必要で、誰もが素晴らしい作品を作れるわけではないが、このようなオブジェクトやスクリプトを売って収益をあげているユーザーも存在する。
応募資格は Second Life の正規アカウントを持っていること。国籍や年齢は問わず、法人・個人ともに応募可能だ。審査委員長は家入一真氏が務める。
ファンドを企画した GMO-VP 取締役の村松竜氏は、「最近、Second Life に進出する企業が多いが、あまり我々からみて面白みのあるビジネスはない」と話す。300万人以上の住人が存在し、一日1億円程度が流動する Second Life。非常にパワーを持った仮想世界であるのは確かだが、まだ物足りないという。「例えば TOYOTA や NISSAN は普通にリアルに走っている車を CG で作って走らせてるだけで、あまり Second Life ならでは感がない。たぶん現実のものをバーチャルに持っていくよりも、もっとプラスアルファの面白みがあるはず」
今回のコンテストでは、「ビジネス・デザインコンテスト」と銘打ってはいるが、これを機に面白いクリエイターやビジネスのアイデアを持っている人に Second Life 上で集まってもらおうという側面もある。GMO-VP がビジネス面から支援し、paperboy&co.はクリエイターを支援するという方向性で仮想世界を盛り上げていくという。
■ Second Life 内でファンドは可能か
ファンドというビジネスは、海外のものを含め、まだ Second Life 内には存在していないという。そもそも“ファンド”という概念が仮想世界の中で存在し得るのかも未知なところがある。Second Life の中には法律もないからだ。そういった面も含めて今回のファンド設立によって発明していく。
村松氏は次のように話す。「出資やファンドという概念は現実世界にあるもの。 Second Life 内では、さらに違う考え方が必要となるだろう。現在は原始的な貨幣経済があるだけで、土地本位制に近いものがある。そこでファンドを運営する場合、どんなファンドになるかまったく予想がつかないが、かなり現実とは異なった形になるだろう。とにかく想像もつかないことが起きることは確か」。
これまでは何かしら現実にあったサービスをネットに乗せるのがインターネットビジネスの主流だった。しかし、Second Life が出てくると、逆に仮想が現実を作るようになる可能性もある。
「そういうものをどんどん促進していきたい。100年くらい前、株式取引などの信用取引は現物取引の派生物だった。でも、それが今は完全に逆になった。信用がむしろ現物を動かしている。そういうことがたぶん起きてくると思う」
家入氏が Second Life 内に土地を購入したのは2週間ほど前のことだ。「リアルで土地を買えないぶん、せめて Second Life で島を買って、王国を作りたかった」そうだ。ペパボ島では、ちょっとしたオブジェクトと作製したり、土地をもりあげたり、へこませたりして楽しんでるという。
作製したアイテムを販売してみようとも考えている。いろいろな着ぐるみを作っており、「そろそろ売れるクオリティになったかな」と自信を見せる。