先日、繊維専門の商社さんと食事の機会があった。
もともと、繊維原料中心に展開されていたが、
2年前から製品も着手されている。
部長は今後のアパレル業界の商社の役割の変化を
しみじみ感じてらっしゃいました。
それは、
強い財務体質のアパレル=商社は必要ない
強い財務体質のOEMメーカー=商社は必要ない
となると、
大手アパレルが苦戦する昨今で、枠を縮小傾向の商社の中で
互いの必要性が薄まると、
あまりおいしい取引が残らないかもしれないとの危機感が生まれている。
一方、複数店を運営するリジョナリーチェーンストアも前売れが
思うように少ないことから、オリジナル商品を自社企画し、
利益性と独自性を同時に高めようといった動きが盛んになり、
OEMメーカーとチェーンストアのコラボが出始めている。
消費者←小売店←アパレル←OEMメーカーといった流通構造が
苦戦するアパレルを飛ばして、消費者←小売店←OEMメーカーといった
構造に変化しているのは明らかだ。
これはアパレル企業の構造に問題がある。
一方のOEMメーカーからは、独自のブランドを作り
自社のネットワークで販売を試みるケースも増えている。
ただ、こちらの成功率はあまり高くない。
その原因はいくつか上げることが出来る。
1、今までアパレル企業からまとまった受注で動いている為、初回生産以後のフォローアップ体制が無く、
展示会生産のみの対応で、小売側がついてこれない。
2、安定した売り場とのネットワークが乏しい
3、在庫リスクと営業マンがいない
4、得意な商品構成が片寄っている為、売り場での特徴がでにくい。
つまり、いいものは造れるが、ビジネスモデルが実態市場の動きとかみ合わないようだ。
弊社のお取引いただいてるチェーン店さまが
2010SSから自社企画の品揃えを少なくし、
OEMメーカーの商品展開を始める。
OEMメーカーにとっても始めての店頭展開と
力が入っている。
これらの流れはすでに発生しているが、まだ小さな波だ。
しかし、大きなビジネスモデルになりうるかもしれない。
問題はこのコンバーティングには卓越した経営能力と
金融能力が不可欠なことだ。
今後の商社は金融とネットワークを武器に
繊維業界のコンバーターを買って出ることが出来れば
この時代に新しい波を作ることが出来るかもしれない。
問題は視点を川上から川下に向けることが出来るかどうか?
卓越した運営能力を持ったスタッフが残っているのかどうか?
問題は「お金」よりも「人」なのかもしれない。
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