
表題のこの絵は、
イングランドの東側の海岸線にある「スカボロー」って小さな港の
旧市街地です。
島根県の画家:安野光雅氏が、40歳前後のころに訪れた町の景色でした。
私が出張時に、ひざに違和感を感じて立ち寄った
病院の病室に飾られていたこの絵を、
それから毎日、朝も晩も20日余り、眺め続けることになるとは、夢にも思いませんでした。
毎日この絵を眺めながら、ふと作者を検索してみると、
私が子供のころに、家で読んだ、いくつかの絵本の作者でした。


いずれの著書も、子供の私には
いつも触れている日本の絵本とは一風違った、大人っぽさというか
外国っぽい、独特美しさのある作風だったのを覚えています。
この絵本を読んでた頃から考えると、
もう40年以上経って、
また、安野さんの絵に向き合う機会があるとは・・・
今回、ひざの病気の直接原因はともかく、体をあちこち調べてもらうと
いろんな問題が出てきます。
症状を並べて俯瞰してみてみると、
先生曰く、「全体的な免疫力の低下です」とのこと。ひざの治療というよりも、
全体的な免疫力の改善が、私の入院テーマになりました。
ASSOはもうすぐ創業30周年を迎えます。
30年間ほとんど休むことなく、走り続けてきましたし、
昭和の私は、そんなもんだと思っていたところがあります。
この30年で、仕事の仕方や、生活の仕方など、いろんなことが変わりました。
いまだ昭和の感覚を色濃く残す私の感覚ですが、時代が変わったとか、新しいやり方とか、
学ばなければいけないことがたくさんありますが、
30年振り返って考えると、何かの行動をするための前提条件から全然違ってます。
昭和の感覚の良しあしを議論する前に、前提条件の違いをよく理解しておかないと、
誤って昔の良いことまで否定してしまうと困ったことになると感じました。
私の仕事も、毎朝会社に行かなくても出来るようになったり、
遠距離でも、簡単に打ち合わせできるようになったり、
今回の入院で、休むことの重要性、立ち止まってじっくり考える重要性を実感する機会になりました。
長期間、仕事を休むと、社内の対応には2種類に分かれました。
私がいなくてもできることをできる限り進めていくスタッフと、
日常作業をこなしながら、何かの決定に関しては、私の復帰を待つスタッフに分かれました。
自主行動型と指示待ち型というか、責任に対するとらえ方に差があるようで、
悪い意味での指示待ちではなく、責任の範囲を把握できないことが、
結果的に指示待ちになっていたように感じました。
また、そもそも、仕事の方向性や具体作業の指示や判断を、上席に依存するタイプのスタッフは、
困ったことになっていました。
ひとつの仕事の方向が見えず、出口がわからなくなって、同じ場所をくるくる回り続けてるイメージです。
本人は、ものすごいエネルギーで、ストレスマックスって感じだったと思いますが、
意外にこのタイプが多いことも気づきになりました。
人にはいろんなタイプがあるのと同じように、それを取り巻く環境も変化し、
その人自身も、今日の自分と30年前の自分とは、大きく変化しています。
そんな人が、たくさん集まって、組み合わさって仕事したり、生活しているので、
個々の想いは大切ですが、それを押し通すのも無理が起きます。
どんな状況でも、直感的というか、直情的な判断にならないよう心掛けたり、
一旦、一呼吸置いて、全体の状況を考えてみるとか、
ややこしい時代の変化にも、対応できる能力って
とても大切と感じました。
表題のスカボローの町は、素敵な町ですね。
この絵の様子からは、変わってると思いますが、変わらない良さを残してる素敵な町です。
いつか行ってみたい町です。