訪問型病児保育 2025-02-15 | 日々雑感

日々雑感

西宮市の小児科医のブログです。

我が家はいまだに新聞(朝日新聞)を取っています。

オールドメディアのと批判を浴びている新聞ですけれど、やはり取材した内容の真贋についてのチェックはそれなりになされていると思っているからです。

ただ、そのすべてに目を通すだけの時間がありません。

そのため、朝読むのは「天声人語」「社会面」「阪神版」それに4コマ漫画です。

今日の阪神版に尼崎市の予算のことが載っていました。



これを読むと、尼崎市は訪問型病児保育に予算をつけるそうです。

県内初の施策です。

いやぁ~~、尼崎市は凄いですね。

以前から病児保育のニーズはあるのですが、残念ながらあまり広まっていきません。

その理由はいろいろとあります。

病気の子どもを預かるわけですから、十分な感染対策が必要です。

その子の状態が悪化した時に対応も求められます。

このように施設面の問題があります。

それともう一つは経営面です。

病気には流行があります。

昨年12月はインフルエンザで大変でした。

そんな時は利用者が殺到します。

しかし今みたいにあまり病気が流行っていない時は、たぶん施設はガラガラになってしまうと思われます。

それでも病児保育施設で働くスタッフは常に準備しておかなくてはなりません。

そんな時、施設として収入はゼロで支出だけかさみます。

だから、年間トータルすると持ち出しの方が多くなってしまいます。

私も以前病児保育に取り組もうかと考えたことがありました。

しかし、零細小児科のうちでは諦めざるを得ませんでした。

そんな厳しい病児保育ですが、今回訪問型の病児保育には驚きました。

確かに訪問型だと病気の子どもを保育施設まで届けなくて済みます。

これは保護者にも病気の子どもにも大きなメリットです。

そして保育を行う側にとっても、他児への感染を気にする必要がなくなります。

そうなると、今一部の施設でいまだになされている感染症の種類によって保育を断ることがなくなります。

自宅に他人が入ってくることへの抵抗感(おそらくその時保護者は自宅にいないはずなので)もあるかと思いますが、この取り組みは素晴らしいと思います。

この方法を考えたのが行政なのか施設側なのかはわかりませんけれど、それを速やかに予算化する尼崎市の姿勢に拍手です。

それに比べて西宮市は、、、