今日の午前中もヒマでした。
そして昼からは市の心臓検診の出務が待っています。
昨日みたいなことになると嫌なので、今日は早めにお昼ごはんをいただきました。
こちらです。
プロテインにたんぱく質、まるでビルダーのような食事です。
でも最近トレーニングを怠っているので、あまり意味がありません。
両方合わせて約700キロカロリー、まあ許しておきましょう。
さて先日こんな報道がありました。
まずはお亡くなりになられた高校生のご冥福をお祈りするとともに、ご家族に心よりのお悔やみを申し上げます。
さて、この記事を読むと救急外来で対応した研修医が誤診をして、その結果患者さんが亡くなられたように思ってしまいます。
しかし本当にそうなのでしょうか?
亡くなられた高校生は初日に2回この病院を受診されています。
そして翌日近くのクリニックを受診され、そこから再度この病院に紹介され入院に至っています。
今回の病気「上腸間膜動脈症候群」とはそういう病気です。
嘔吐や下痢の症状が出た当初、この病気だと診断できることはまずありません。
特に急性胃腸炎が流行っていると、普通はその病気だと思います。
ところが時間が経って症状の改善が見られないと「あれっ、もしかしたら急性腸炎ではなく他の病気かな、上腸間膜動脈症候群かもしれないな」と頭に浮かんできます。
だから今回の経過は上腸間膜動脈症候群としては、普通の経過だと思われます。
それを示唆する発表があります。
当事者である病院の公式の発表のコピペしておきます。
https://www.nagoya2.jrc.or.jp/content/uploads/2024/06/fdc0e7650fffff257ce52946c42b3c79.pdf
これを読むと、2日目に入院に至った時緊急に手術を要する状態ではなかったと書いてあります。
もし研修医の見逃しが原因だとしたら、この時点で既に相当状態が悪化していたと思われます。
でも、そうではありませんでした。
そうなると、入院後の対応に問題があったと考えられないでしょうか。
報告書にもあるように、院内での情報共有がうまくいっていなかったとか状態が急変した時の院内対応の甘さとか、どちらかと言うとそのあたりが今回の問題の本質のような気がします。
そのことについては病院側もきちんと発表しています。
しかし、マスコミの報道を見ると、どれもが「研修医の誤診」としか書いてありません。
この事について、実は医療者の多くから遺憾の声が上がっています。
私も月に1回ほどの頻度で応急診療所に出務しています。
もしかしたらそこで同じような患者さんに遭遇するかもしれません。
その時レントゲンもエコーも何もない応急診療所でこの病気を診断することは絶対にできません。
だからと言って、嘔吐している患者さんを全員二次救急病院に紹介していたら、先方の病院だけでなく患者さんからもクレームが来るに違いありません。
だからよほどのことがない限り「吐き気止めを出しておくからお家で様子を見てね、でも症状が続いたら明日必ずかかりつけの先生を受診してね」と言って、いったんお家に帰ってもらいます。
それを「誤診」と言われるのであれば、応急診療所への出務は怖くてできなくなります。
マスコミが今回の出来事をどうして名古屋第二日赤病院の公式発表のほんの一部だけ引用して「研修医の誤診」と報道したのか、その理由を私は問いたいです。