大阪・関西万博まであと1年になりました。
でもあまり前向きな話は伝わってきません。
「オールジャパン」と言われても、なかなか難しい気がします。
だって自分も2005年の愛知万博にはあまり興味がわかなかったからです。
でも前の大阪万博のことは鮮明に覚えています。
その頃小学4年生の私は生まれて初めて世界を実際に感じることができました。
そして巨大なパビリオンや今まで自分の持っていた顔のイメージを根底から覆す太陽の塔や
何時間も並んで見たアメリカ館の月の石や、こうして今でもスラスラといろいろな思い出が蘇ってきます。
食事を摂ろうと思ったのですが、どこのパピリオンもいっぱいで比較的空いていたベルギー館で食べたジャガイモ料理も逆の意味で印象深いものでした。
また日立パビリオンの目玉だった飛行機の操縦シミュレーションを本当はやりたかったのに、シャイな私はそれを言い出せなくてとても残念な思いをしました。
その時の経験は今でも活きていて、「やりたいことはできる限りやらないと後悔する」が自分の行動規範の一つになっています。
その頃私はヴァイオリンを習っていて、この団体に所属していました。
その関係でお祭り広場で開かれたイベントに、大人数で合奏したのもしっかりと覚えています。
そのイベントの後、エキスポランドになったダイダラザウルス(ジェットコースター)に乗って嬉しさのあまり大声を出してはしゃいでいたら、それがために喘息発作を起こしてしまったのもよく覚えています。
そして何より印象的だったのはこれです。
そうなんです、神戸港から万博会場までゾウが歩いて行ったんです。
当然西宮市内も通りました。
経路は国道2号線から171号線です。
私も当然見にいきました。
当初通過するとされていた予定時間の2時間以上も前から沿道で待っていたのですが、待てど暮らせどゾウは来ません。
でも「ゾウだから仕方ないよね」と思ってそのままじっと待っていました。
すると遠くからゾウの集団がやってきたのです。
動物園で見るゾウはせいぜい1-2頭で、それも檻に入れられています。
それが今まさに目の前を通っているゾウはのしのしとアスファルトで舗装された道を歩いているのです。
これは強烈でした。
今でも小学校の同窓会があると、この時の話題で盛り上がります。
だって、地域の小学生全員がゾウを見に行っていたからです。
こんなふうに、1970年の大阪万博は子どもだった私にとってある意味夢の世界でした。
大人の立場だと、来年の万博を否定的に捉える人が多いようです。
でも子どもにさまざまな経験をさせる意味では、私は結構期待しています。
いくら世界が狭くなったと言っても、そこに行けばリトルワールドがあるのです。
小さい間に異文化に触れる重要性を考えて、是非とも成功に導いてほしいと思っています。
ミャクミャク、がんばれ!