報酬 2023-12-12 | 日々雑感

日々雑感

西宮市の小児科医のブログです。

先日来虎軍の主力選手の契約更改が行われています。

 

 

皆さんとても頑張って活躍したので、年俸が増えるのは当たり前です。

みんないい顔してますよね。

普通頑張って働いたら収入が増えるのは当たり前の話です。

ところが医者の世界はどうも違うようです。

 

これはどういうことかというと、端的に言えば「診療所は儲かっているから収入を減らすように持っていきますよ」ということです。

現場の人間からすると???な話です。

まず本当に診療所は儲かっているのでしょうか?

今回比較対象になっているのは2020年です。

2020年って、まさしくコロナ禍が始まった年です。

この年は学校の一斉休校などがあって、感染症が全く流行りませんでした。

だから小児科はどこも閑古鳥が鳴いていました。

社会的には良いことですけれど、医院経営の面からみるととても厳しい状況に陥りました。

前年度に比べて収入が半減し、そしてうちは持続化給付金の支給対象にまでなりました。

そんな年をベースにすれば、それは当然収入は増えているに決まっています。

2020年を基準にする点がまず大きな問題です。

次に昨年のことを振り返ってみます。

昨年はコロナが世間一般に広まり大変な1年でした。

医療機関によっては発熱患者さんを診察しない対応をしたところもあります。

それがために発熱対応外来を実施した医療機関は多忙を極めました。

そして医師自身やスタッフが感染するリスクを抱えながら、日々殺到する発熱患者さんの診察に従事したのです。

実際私はコロナに感染しましたし、スタッフの中にも感染した者がいます。

言ってみれば我が身を犠牲にしてまで社会のために診療所全体として診療に明け暮れた毎日でした。

今思い出してもスタッフのみんなも自分もとても頑張ったと思います。

そしてこれだけ頑張れば収入が増えるのは当たり前です。

でもそれを評価されることなく、逆に「あんたのところ、儲かったんやろ。それやったらそれで充分やん。もう儲からんように仕組みを変えるからね」と今回言われたわけです。

 

私は別にお金儲けを目的で医者になったわけではありません。

でも自分の労働に対して正当な評価はしてほしいと思っています。

昨年あれだけ力を尽くし社会のために頑張ったのに、その評価が今回の財政審の建議だとしたら、なんか無力感に包まれてしまいます。

 

今回のことは私だけではなくコロナ禍で診療に尽力した医療現場の人間の数多くが憤っています。

実際私の同級生でこの日記にも時々コメントをくれるakiyama-ryou-25さんも自分のFacebookで意見を述べていました。

私の考えは医師独自の基準で世間の一般常識から外れているのでしょうか。

もしご意見がある方はコメントをお待ちしております。