「精算」と「清算」はどう違う? | 伝わる・喜ばれる文章講座

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ビジネスシーンでは「セイサン」という言葉がよく使われています。

「出張費をセイサンする」「交通費をセイサンする」といった使われ方をしますが、この「セイサン」は漢字でどう書きますか?

 

①精算

②清算

③どちらでもよい

 

さて、出張費や交通費の場合、①〜③のどれが適切でしょう?

 

正解はです。

 

「精算」の「精」は精密・精巧といった熟語で使われることからも分かるとおり、細部まで詳しくという意味があります。

よって、お金を精算すると言う場合、金額を間違えることがないよう細かく計算するという意味になります。

 

これに対して「清算」の「清」は「きよめる」ことです。

整理してきれいにすること、けじめをつけることを表します。

そのため、「会社を清算する」「借金を清算する」といった使い方をします。

 

使い分けのポイントとして、

  • 「精算」はなくならないが「清算」はなくなる
  • 「精算」はお金に関して使うが「清算」はお金以外にも使う
  • 「清算」はネガティブなことに対して使うことが多い

といった点が挙げられます。

 

もし使い分けに迷ったら、「清掃」という言葉を連想すると分かりやすいはずです。

清掃とは掃除のことですから、ゴミなど不要なものを処分してきれいにすることを指しています。

 

先に挙げた出張費や交通費の場合、処分してきれいになくなってしまっては困りますよね。

それに対して、借金や倒産した会社は整理してきれいな状態にする必要があります。

 

「清掃」と同じ意味で「清」を使う必要があるかどうか、を基準に考えると、迷うことがなくなるでしょう。