「です・ます」と「だ・である」が混ざってしまう原因 | 伝わる・喜ばれる文章講座

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どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

文には大きく分けて「敬体」「常体」があります。

 

敬体とは、いわゆる「です・ます」調のことで、文末に丁寧語が使われます。

 

これに対して、常体とは「だ・である」調のことです。

 

敬体と常体は、基本的には混ぜないほうがいいとされています。

 

敬体ならずっと敬体で、常体ならずっと常体で文章を書くのが基本です。

 

 

ところが、敬体と常体が混在している文章を目にすることは案外よくあります。

 

ビジネス文書の場合、客観性が高くなればなるほど常体が好まれる傾向がありますが、ところどころに「〜ということです」「〜に限りません」といった敬体がちらほら登場していたりするのです。

 

 

意図して部分的に敬体を使うこともないとは言えませんが、意図していないところでいつの間にか敬体がポロッと出てしまうのは避けたいところです。

 

 

では、なぜ敬体と常体が混ざった文章ができあがってしまうのでしょうか。

 

非常に個人的な感覚ですが、常体の中に敬体を混ぜてしまいがちな人は、たいてい「いい人」のような気がします。

 

常体で書かれた文章はドライでぶっきらぼうな印象を与える場合があります。

 

おそらく、ずっとぶっきらぼうな口調で書き続けるのが心苦しくなり、ときおり丁寧なものの言い方が混ざってしまうのではないでしょうか。

 

 

敬体と常体が混ざってしまう原因の1つに、「誰に向けて書いているのか」が定まっていないことが挙げられます。

 

皆さんも心当たりがないでしょうか。

 

社内の報告書を書くとして、報告書を読むのは親しい同僚かもしれませんが、あるいは上司や役員かもしれません。

 

あの人もこの人も読むかもしれない、とイメージが揺らいでいると、文末表現も揺らぎやすくなります。

 

その結果、読んでいる人にとって「急にていねいな言い方に変わった」「一体だれに向けた言葉なのだろう?」と疑問を感じる原因になってしまうのです。

 

 

文章を書くときには、誰に向けて書くのかをできるだけ絞ったほうが表現が揺らぎにくくなります。

 

もちろん想定とは異なる人が読む可能性もあるのですが、読み手の側でも「この文章は〇〇な人に向けて書かれているのだろう」と解釈してくれます。

 

なので、実際には「あの人も、この人も」と気を遣う必要はそれほどなかったりするのです。

 

 

「です・ます」と「だ・である」を混ぜて使いがちな人は、文章を誰に向けて書くのか具体的に決めておくといいですよ。

 

「知り合いの〇〇さん」「同僚の〇〇くん」など、なるべく具体的に、実在する人を想定したほうが書きやすいはずです。

 

次に文章を書く機会があったら、ぜひ試してみてください。