漢字とひらがな表記の区別にこだわりを持とう | 伝わる・喜ばれる文章講座

伝わる・喜ばれる文章講座

どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

日本語という言語の特性上、漢字とひらがなのバランスに気を配ることは非常に重要です。

 

あまりにひらがらなだらけの文章は意味のまとまりが取りづらく、逆に漢字が多用された文章は堅く苦しい印象を与えてしまいます。

 

この「適度に使い分ける」という感覚が、とても難しいところです。

 

 

実際、Webメディアの記事を書いていても、漢字とひらがな表記の方針はクライアントの方針によって異なります。

 

あまり気にしていないクライアントがいるのも事実です。

 

そのため、一般的に「これが正解」といった基準はありません。

 

 

1つ言えることとして、「同じ言葉を漢字で書いたりひらがなで書いたりする」のは、避けたほうがいいということです。

 

なぜなら、読者としては1つの記事を読む中で一定のルールを無意識のうちに体得していくからです。

 

分かりやすいように例を挙げてみます。

 

「転職エージェントは複数社を使い分けるのも一つの方法です。

 

但し、あまり多くの転職エージェントに登録してしまうと、管理するのが大変になって仕舞います。

 

目安として、2〜3社くらいに留めて置くほうが無難でしょう」

 

 

上の例では、「一つ」「2〜3社」と漢数字と算用数字が混在しています。

 

また、「但し」「仕舞います」「〜して置く」といった、一般的にはひらがなで表記されることの多い部分にも漢字が使われています。

 

 

「ただし」を「但し」と書くのは誤りではありませんが、接続語の「ただし」に重要な意味が込められているわけではないため、あえて漢字にする必要はありません

 

同様に「〜してしまう」「〜しておく」といった補助動詞も、意味合いとしてはあまり重要ではないことから、ひらがな表記にするべきでしょう。

 

 

こうして見ると、何だか重箱の隅をつつくようなことを言っているように感じるかもしれません。

 

しかし、読者にしてみれば「大変になって仕舞います」の「仕舞います」で文字を追う視線が一瞬遅くなるだけでもストレスになる可能性があります。

 

それほど重要でもない言葉をわざわざ漢字表記にすることで、読み手に負荷をかけてしまう恐れがあるのです。

 

 

漢字とひらがな表記の区別について、決まったルールはないと先に述べました。

 

ただ、一般的によく使われているルールは存在しますので、メディアの記事を読むときなどは意識して見てみるといいでしょう。

 

一例として、さきほどの接続語と補助動詞を挙げておきます。

 

  • 〜と言う → 〜という
  • 〜して下さい → 〜してください
  • 例えば → たとえば
  • 尚 → なお
  • 〜に成る → 〜になる
  • 又は → または
  • 〜して見る → 〜してみる
  • 〜し易い → 〜しやすい
  • 因って → よって

 

ほかにも「あえてひらがな表記」にしている言葉はないか、意識して読んでみると、新たな発見があるはずです。