同じテーマで書かれた文章を参考にしよう | 伝わる・喜ばれる文章講座

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どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

文章を書くのは創造的な行為です。

 

どのような構成で、どのような表現を使い、どのような言葉を選ぶのかは、書き手の判断に委ねられています。

 

 

文章を書くのが苦手な人は、もしかしたら毎回ゼロベースで新しい文章を書かなくてはいけないと思っていないでしょうか。

 

もちろん、自分が書いた文章として人に読んでもらう以上、誰か他の人が書いた文章を丸写しするようなことは絶対にしてはいけません。

 

ただ、必ずしも完全にオリジナルの文章を毎回生み出さなくてはならないか?と言えば、そうでもないと思うのです。

 

 

実用的な目的で書く文章の場合、よほど特殊な分野でもない限り、たいてい同様のテーマで書かれた文章がすでに存在しています。

 

メールの書き方、企画書の書き方、報告書の書き方など、世の中には多くの先例がごろごろ転がっているのです。

 

 

私自身、曲がりなりなりにもプロのライターとして複数のメディアで記事を書かせてもらっていますが、記事を書くときには必ず参考になりそうなWebサイトをいくつもチェックします。

 

伝え方や主張は少しずつ異なっていても、大枠でざっくりと捉えると、全体として書いておくべき要素やよくある論旨展開が見えてくるからです。

 

つまり、文章そのものは私自身が書いたオリジナルの記事であっても、完全にゼロベースで考えているわけではないのです。

 

 

実際、文章を書き慣れている人ほど過去に多くの文章を読んでいて、その分野における「一般的な文章」といったを理解しています。

 

「この手の文章は一般的にこう書かれるもの」といった感覚をつかんでいるわけです。

 

 

完全に新しい文章、誰も書いたことのない斬新な言い回しは、少なくとも実用的な文章では必要とされていません。

 

純文学で前衛的な作品を書こうと思ったら、そういった独自の工夫が求められるでしょう。

 

しかし、おそらく多くの人が書こうとしている文章は「伝わる」ことを目的としているはずです。

 

誰も書いたことのないような斬新な表現ばかり使ってしまったら、むしろ伝わらない文章になってしまうはずです。

 

 

文章には「既視感」があってもいいのです。

 

どこかで読んだことのある言い回しや、一般的によくありそうな構成・展開の仕方で問題ありません。

 

文章に苦手意識がある人ほど、「自分でゼロの状態から生み出さなくてはならない」プレッシャーから解放されるべきでしょう。

 

その意味で、文章を書くときには同じテーマで書かれた文章をいくつか読んでみることはとても重要です。