読み手の疑問に答えるタイミングの大切さ | 伝わる・喜ばれる文章講座

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どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

Webメディアなどでいろいろな文章を読んでいると気づくかと思うのですが、読み手に問いかけてから答えを述べる手法がよく用いられています。

 

たとえば、次のような事例です。

 

「転職活動を進める上で、なぜ転職エージェントを活用することが有効なのでしょうか。

 

それは、一般的な転職サイトには掲載されていない非公開求人を紹介してもらうチャンスを得られるからです」

 

 

上の例では、「なぜ〜でしょうか?」という疑問に対し、次の文ですぐに答えを提示しています。

 

では、もし次のような文章になっていたとしたら、どんな印象を受けるでしょう?

 

「転職活動を進める上で転職エージェントが有効なのは、一般的な転職サイトには掲載されていない非公開求人を紹介してもらうチャンスを得られるからです」

 

内容的には前の事例と同じことを言っているのですが、さらっと読めてしまい「疑問を提示された」という印象を受けないはずです。

 

そのため、肝心な「転職エージェントを活用することの有効性」について、読み手は見落としてしまう可能性が高くなります。

 

 

さらに、次のような書き方をした場合はどうでしょう?

 

「転職活動を進める上で、なぜ転職エージェントを活用することが有効なのでしょうか?

 

その理由は後で述べるとして、まずは転職エージェントとは何か?について概要を解説します。

 

転職エージェントとは…」

 

 

読み手としては「転職エージェントを活用するのがなぜ有効なのか?」という疑問に対する答えを早く知りたいのに、「後で述べるとして」と書き手の都合で答えを先延ばしにされてしまいました。

 

おそらく、読み手の中には「何だよ、先にその答えを教えてほしかったのに」と感じる人もいるでしょう。

 

「後ほど」「後で述べる」といった引っ張り方は、よほど文章構成に自信がなければ避けたほうが無難です。

 

 

このように、読み手に疑問を提示する以上、その疑問に対する答えをどのタイミングで開示するかが非常に重要です。

 

 

一般的に、文章を書き慣れていない人ほど、提示した疑問とその答えの間隔はあまり空けないほうがよいでしょう。

 

そもそも読み手は知りたいことがあって文章を読んでいるはずです。

 

疑問を解決することが文章を読む最大の目的なのですから、肝心な「疑問を解消する」ことが先延ばしにされたり、最後まで読んでも疑問が解決されなかったりすればストレスを感じることになるでしょう。

 

疑問の提示→その答え→なぜそう言えるのか?という順序を繰り返すことによって、読み手は小さな疑問を解決しながら文章を読み進めることができます。

 

 

この考え方は、Webメディアの記事などに限らず、企画書や報告書など、さまざまなところで応用ができます。

 

読み手に疑問を提示したら、できるだけすぐに疑問に対する答えを書く

 

ぜひ、次に文章を書くときに意識していただけたらと思います。