文章の「リズム」に敏感になろう | 伝わる・喜ばれる文章講座

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どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

読みやすい文章と読みにくい文章を分ける要因の1つに「リズム」があります。

 

読みやすい文章は流れるように文字を目で追えるのに対して、読みにくい文章は目で追っていてもところどころで引っかかってしまい、なかなか読み進めることができません。

 

なぜ、このような差が生まれるのでしょうか。

 

 

原因はいくつかあるのですが、分かりやすい要因の1つとして「読点」の使い方が挙げられます。

 

読点とは文の途中に入る「、」のことです。

 

日本語には読点をどう使うのか、明確なルールがありません。

 

そのため、人によって読点を打ったり打たなかったり、打つ場所に関しても感覚的に決めていたりするのではないでしょうか。

 

 

ちなみに、読みやすい文章にする上で読点は必須です。

 

たとえば、次のような文章で考えてみます。

 

「転職サイトと転職エージェントの大きなちがいの1つにキャリアコンサルタントの存在があります。

 

転職エージェントでは担当キャリアコンサルタントがついてキャリア相談や求人紹介をしてくれるので転職希望者は自分に合った仕事内容の求人を紹介してもらうことができます。

 

転職エージェント経由でしか応募できない非公開求人もありますので転職サイトだけを利用する場合と比べると応募できる求人の幅も広がります」

 

 

あえて読点を一切排除した文章にしているのですが、いかがでしょうか。

 

おそらく、大半の人が「読みにくい」と感じるはずです。

 

 

一方、読点をむやみに使いすぎても文章のリズムは悪くなります。

 

同じ文章で考えてみましょう。

 

「転職サイトと、転職エージェントの、大きなちがいの1つに、キャリアコンサルタントの存在があります。

 

転職エージェントでは、担当キャリアコンサルタントがついて、キャリア相談や、求人紹介をしてくれるので、転職希望者は、自分に合った仕事内容の求人を、紹介してもらうことができます。

 

転職エージェント経由でしか、応募できない非公開求人もありますので、転職サイトだけを利用する場合と比べると、応募できる求人の、幅も広がります」

 

読点のたびに、読んでいく視線の動きに小休止のような「間」が空くのを感じるでしょう。

 

 

不要な場所に読点を使うと、文章の意味が取りづらくなるという問題も出てきます。

 

上の例では最後の文にある「応募できる求人の、幅も広がります」の「、」は明らかに不要です。

 

「求人の幅」で意味のまとまりになっているはずのところを、読点で区切ったためにかえって意味が取りづらくなっています。

 

 

このように、文章のリズムに気を配ること、とくに読点の使い方にこだわることは、文章の読みやすさに大きく影響を及ぼします。

 

これまであまり意識せずに読点を使ってきたようなら、読点で文のリズムを作ることを意識してみましょう。