文章を書き始められない人が勘違いしていること | 伝わる・喜ばれる文章講座

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どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

文章を書くことに苦手意識を持っている人の多くは、「書き始める」までに時間がかかりすぎる傾向があります。

 

どう書き始めたらいいのか、書き出しの言葉をどうしようか——。

 

そう考え込んでいるうちに時間ばかりが過ぎてしまい、結局ちっとも書けなかった…。

 

そんな経験はありませんか?

 

 

なぜ、文章を書き始められないのでしょうか。

 

ここには、ある大きな「勘違い」があります。

 

 

文章を書くのが苦手な人ほど、いきなり書き始めようとすることが多いのです。

 

「当たり前じゃないか、文章を書くのだから、まず書き出さないと始まらないのだし」と思いましたか?

 

 

では、文章とは別のことで考えてみましょう。

 

たとえば、あなたがこれから土をこねて「壺」を焼くとします。

 

熟練した職人なら、すでに頭の中に完成形ができていて、それに従って土のこね具合を調整したり、ろくろを回して適した形に土を成形することができるでしょう。

 

焼き加減に関しても、頭の中にある焼き上がりの色や艶をイメージすれば、ちょうど良い火加減も分かるはずです。

 

でも、これは熟練した職人だからこそできることです。

 

焼きものを作るのが初めての人や、慣れていない人にとって、いきなり作り始めるのはかなりハードルが高いと同時に失敗するリスクも高いはずです。

 

まずは完成形のラフスケッチを描き、必要な土の硬さや染料の種類を決めておいて、それから作業を始めなくてはならないでしょう。

 

 

文章もこれと同じです。

 

ある程度の長さの文章を書くとなれば、全体の構成や伝えたいポイントを書き出しておく必要があるのです。

 

書き出したものの中には、余計な要素や重複している要素もあるでしょう。

 

それらを整理し、理路整然と伝わることを確認してから、初めて文章を書くことに着手するのです。

 

書き出したパーツを組み合わせて、1つの文章に仕上げていくイメージです。

 

 

いきなり文章を書こうとするのは、頭の中に完成形が全くない状態で壺を焼こうとするのと同じです。

 

頭の中が混乱している状態なので、「まず何から書けばいいのか」「どんな表現を使ったらいいのか」と迷いが生じてしまうのです。

 

 

文章の構成や伝えたいポイントを書き出すのは、ひどく面倒なことのように感じるかもしれません。

 

でも、この工程を踏んでおくことによって、少なくとも「何から書けばいいのか分からない」という状態は脱することができるはずです。

 

 

文章を書き始められるない人は、「いきなり文章を書く」ことのハードルの高さを認識できていないと考えられます。

 

面倒に感じたとしても、まずは箇条書きで伝えたいことを書き出しておき、全体の構成をある程度決めてから書き始めるようにしましょう。

 

こうすることで、文章を書き始めて書き終えるまでの時間を結果的に短縮できるはずです。