文のねじれに自分で気づくためのチェック法 | 伝わる・喜ばれる文章講座

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どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

文章を書くのが苦手な人にありがちなこととして、文の「ねじれ」を放置してしまうことが挙げられます。

 

文のねじれとは、主語と述語、修飾語と被修飾語の関係がちぐはぐになっている状態のことを指します。

 

 

たとえば、次のような誤りは非常によく目にします。

 

「いま個人的に一番気になっているアイテムは、〇〇というブランドのストールが気になっています」

 

この文のどこがおかしいのか、すぐに分かりますか?

 

 

文の主語は「アイテムは」、述語は「気になっています」です。

 

気になっているのは隠れている主語の「私」のはずで、「アイテム」ではありません。

 

もう少し大きなくくりで見ると、「気になっているアイテムは」「気になっています」と、主語と述語が重複していることが分かるはずです。

 

「私が好きな食べ物は、ハンバーグが好きです」といった文と同じ間違いをしているのです。

 

 

上の例を修正すると、

 

「いま個人的に一番気になっているアイテムは、〇〇というブランドのストールです」

 

となります。

 

 

こうした文のねじれに自分で気づくには、どうしたらいいのでしょうか。

 

ときどき「書いた文を声に出して音読すると気づきやすい」といったアドバイスを見かけることがあります。

 

たしかに音読することで視覚情報が音声情報に変換され、聴覚でとらえた情報によって誤りに気づけることもあります。

 

しかし、誰しも自分で書いた文章はそれなりに正しいと考えていますので、ごく初歩的な間違いにも気づけないことはめずらしくありません。

 

 

そこでおすすめしたいのが「文構造の簡略化」です。

 

難しく聞こえるかもしれませんが、やることは至ってシンプルです。

 

さきほどチェックで使ったのと同じ方法で、文の主語と述語を切り出し、続けて読んでみるのです。

 

 

「気になっているアイテムは」「気になっています」と続けて読めば、明らかに重複していることに気づきやすくなるはずです。

 

同様に「好きな食べ物は」「好きです」ではおかしいことが、文全体を読んだときよりも明確になります。

 

このように「〜は」「…だ」や「〜が」「…した」の部分だけをピックアップし、つなげて読むことで文のねじれが発生していないかチェックできます。

 

 

人の文章を読むと、文のねじれが発生している部分が一目瞭然です。

 

ところが、自分が書いた文章となると疑いの目を向けるのが途端に難しくなってしまうものです。

 

文のねじれが放置されたまま人に読ませてしまうことは「書き慣れていない」といった印象を強烈に与える原因になります。

 

せっかく有益な情報を伝えていても、文のねじれが放置されていることによって文章全体が拙く思えてしまうことさえあります。

 

 

文のねじれをセルフチェックする「文構造の簡略化」。

 

すぐにできることですので、ぜひ実践してみてください。