私は宗教家でないし、宗教心があるわけではない。
だが、田舎で生まれて育ったせいで、仏壇に参る、墓参り、盆暮れの行事は日常だ。
浄土真宗のお寺さんとは家族のように交流し、夏休みは寺のサマーキャンプなどにも参加させられた。
三つ子の魂、とはたいしたもので、未だにお経を唱えることができるし、仏歌なども歌える。
「仏さんが見てくれている」
「罰が当たる」
「先祖のおかげ」
が、基本の教えだ。
だからお盆の墓まいりは欠かしたことがない。
「うぐいすも、蝶も遊べよ、みほとけと」
私の実家の墓には俳句が掘り込んである句碑がある。
4月11日に父が他界し、母が俳句を詠んで建てた碑だ。
石は母の生家の近くの山から運び込んだらしい。
みほとけが守ってくれている?
このありがたい思いで毎日を送りたい。
ちなみに、私の主人の家は真言宗だ。
高野山の豊臣秀吉の墓の隣に石岡家供養塔がある。
真言宗のお経もばっちりだ。
昔の上司はプロテスタントの牧師さんだった。
彼にもキリストの教えで随分救われた。
人間は弱い、
時には何かにすがる勇気も必要だ。