【閃き】大阪のビル | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 大阪での役職をいくつか辞し、市内に出かける機会はめっきり減りました。たまに出かけて驚くのは、とにかく人が多いことと、とにかくビルが巨大なことでしょうか。

 京都駅の人の多さは、仕事、学校、観光客のうち、観光客の割合が断トツで大きいように思います。その分、圧迫されるような重圧はありません。大阪駅の人の多さは、仕事の割合が高い分、何だかギスギスしています。自分と周囲の間に壁を立てないと、とても身が持たない。京都を中心に動くようになって以降、その感覚が特に強くなってきました。

 もう1点は、京都に比べて巨大なビルが多いこと。東京に行けばさらに多いのですが、とにかく大きなビルに人が吸収されるように入っていく姿を複雑な思いで眺めています。かつて、自分もそうだった。何の違和感も持っていなかった。今抱く違和感がどこから来ているのか。まだ言語化できずにいます。

 写真家の大竹英洋さんが書いた『そして、ぼくは旅に出た。』(文春文庫)を読み始めました。その中で大学一年生のとき、ワンダーフォーゲル部で体験した山旅の話が出てきます。

「次の日、夏の登山客でにぎわう甲斐駒ヶ岳の山頂に立ちました。そこからの展望も見事でしたが、それよりも、昨日見た野生のカモシカと満点の星の方が、印象深く心に刻まれました。ぼくたち人間とはいったい何者であるのか。どこへ向かおうとしているのか。自然との出会いには、人間を客観的に眺める視点をもたらし、そのような根源的な問いについて考えさせてくれる力がある。その考えを深めていくために、これから先もずっと自然のなかで旅を続けたい。そう意識するようになったのは、この山旅以降のことだったと思います」(P.62-63)。

 昨日このブログを書いた後に大竹さんの文章を読んで、次元は違いますが同じことを言っているのかもしれないと感じています。

「一昨年から八ヶ岳方面に出かけるようになりましたが、1000m前後の里山への関心も薄くなることはありません。なぜか。一番大きな要素は、生き物の気配を感じられることだと思います。頂上まで行っても、鳥の鳴き声が聞こえる。暖かくなると虫が出てくる。そういった声を聞き、姿を眺めているうちに、こちらの存在が相対化されてくるというのでしょうか」。

 大竹さんはこうも書いています。「考えてみれば、星たちがその夜にだけいつもより明るく輝いていたわけではありません。地球が誕生したときからずっと、こんなふうに夜空で輝きつづけていたはずなのです。それが、ぼくの育ってきた東京の街中ではもう見えなくなってしまった。高層ビルに視界をさえぎられ、電気の明かりや空気の汚れが妨げとなって……。便利な生活と引きかえに失ってしまったものがある。自然の奥に出かけていかないと感じられなくなってしまったものがある」(P.62)。

 自分の中に生じた違和感を大事にする。そのことに年齢制限はないはずです。




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