【閃き】人の話を聞く | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 株式会社の最高意思決定機関は、株主総会。株主の意向を無視して経営するわけにはいきません。非上場会社なら身内が株主のケースが多いでしょう。上場会社はそうもいかず、誰にでも開かれた存在ですから、株主も多種多様。その声に耳を傾けなければならない。言い換えれば、経営者の思い通りにならないことが1つの統制として機能する、という建付けです。

 変化の速い時代。日々、新しい動きや技術を感じない日はありません。組織運営にも新たな形態が登場しているようです。「次世代インターネット「Web3」の技術を活用し、株式会社とは異なる「DAO(分散型自律組織)」と呼ぶ組織形態を作って新事業創出につなげる動きが広がる」(14日、日経)。

 新しい言葉には、定義が必要です。「ダオ」の定義も記述されていました。「株式会社で一般的な株の代わりに、組織に関わる人に「トークン」を割り当て、特定の人に依存せずに参加者全員で組織を運営する。意思決定は参加者の投票で実施され、決定事項はブロックチェーンで取引を執行する「スマートコントラクト」により、自動で実行される」(同)。

 何かが割り当てられ(株かトークンか)、割り当てに応じた意思表明の手段(株主総会か投票か)がある。この点は、株式会社もDAOも同じでしょう。決定事項の執行が自動で行なわれる、という部分のイメージは湧きませんが。

 創薬などの科学技術分野だけでなく、スポーツ界でも利用されているのだと。読めば読むほど、新しい資金調達の一手法、と狭く解釈してしまいます。「サッカーJリーグのアビスパ福岡は2月に同社のDAOに参加するためのトークンを発売した。購入者はクラブの運営やイベントの企画に参加できる。サッカー愛好家だけでなく、Web3に関心がある人などから、年間1億円の調達を目指すとともに、ファンの裾野を広げる」(同)。

 外部の人の声を聞く。仮に株主でも、トークン購入者でも、意見を聞きながら組織を運営していく(事業を展開していく)ことは重要でしょう。一方、事業の運営を内部の人が担うのであれば、その担い手の意見を汲むことも決定的に重要です。担い手に不満が溜まると、組織は柔軟に動けない。溜まりきらずにあふれ出すと、人が抜け、組織の存続が危ぶまれます。

 たまたまメールマガジンを書くにあたって、ホンダの基本理念に触れる機会がありました。「人間尊重」として、自立、平等、信頼、を掲げています。「Hondaは、ともに働く一人ひとりが常にお互いを信頼しあえる関係でありたいと考えます」(ホンダホームページより)。

 株式会社でなく、DAOである必然性はどこにあるのか。より信頼関係が高まる組織形態なのか。新しいものに飛びつくのではなく、単なる目先の目的に走るのでもなく、必然性を見極めて動く必要があるのではないかと、私は思います。




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