【閃き】必要な情報 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

毎朝4時起き、スポーツと読書が大好きな税理士/公認会計士がお送りする税務・会計に関する本業ブログです。
トピックスやふとした疑問から、税務・会計の話題を毎日お届けします。

こんにちは。
大阪南船場の早起き税理士・公認会計士(船戸明)の
「本業ブログ」にようこそ。

 お客さんが必要としているのは、
 買うための情報ではなく、
 買うかどうかを判断するための情報だ。

 かつて、マーケティングの本で、
 そんな記述を読んだ記憶があります。

 買うかどうかを、最後に決めるのは自分自身。
 ただ、何も材料がなければ判断ができない。

 その手助けになる情報とは、
 商品機能の情報だけでなく、その機能を位置づける情報も含むのだろう。
(高機能だけれど、通常はここまでいらないだろう、とか)


 先日、とある登山関係商品のお店に行ったときのこと。

 登山用手袋を見ていていると、
「何かお探しの商品があれば言ってくださいね」
 と店員さんが声をかけてくれました。

 そこで、まるで素人の私は、
 値段が倍ほど違う2つの手袋の違いを質問。

 端的に言えば、防水と防滴の違いで、
 前者の手袋に倍以上の値段がついていたのです。

 最後に、その店員さんが言いました。

「よほどの豪雨じゃないかぎり、防滴で十分だと思います」。

 防水か防滴かは、商品の機能の情報。
 ただ、それだけだと、防水のほうがいいに決まっています。
 最後のひと言は、
 その機能を位置づけるための情報でしょう。

 防水まで求めるのが常識なのか、例外なのか。
 初心者ならどのレベルから始めればいいのか。


 税理士の場合の「位置づけ情報」は、
 自分ならやるかどうか、でしょうか。

 規制が厳しくなりましたが、
 節税に役立つ保険があったとして。
 この保険に加入すれば節税効果があります、というのは「機能の情報」。

 それだけ説明して、
 あとはご自由に選択してください、では専門家として無責任です。

 その機能を位置づけるのが、「自分ならやるかどうか」。

 関根稔先生は言います。

――――――――――
『税理士のための百箇条』(財経詳報社、P.157)

 では、どこまで節税手法を実行すべきか。
 その場合の判断基準は「自分なら実行するか」だと思う。税理士自身が、自己の相続税対策として子を祖父母の養子にし、賃貸物件を建築する際に自動販売機を設置し、利益の繰り延べのために節税保険に加入している。そのような手法を自ら実行している税理士であれば、それを納税者にアドバイスしても良いと思う。
 しかし、自らは、そのような手法を実行していないにもかかわらず、納税者にはアドバイスをする。それでは納税者の倫理観を、税理士よりも下に置いてしまうことにはならないだろうか。
――――――――――
 
 
 機能を位置づけるためには、
 目先の損得ではなく、人間性と倫理観が問われるのだと、私は思います。




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