こんにちは。
大阪南船場の早起き税理士・公認会計士(船戸明)の
「本業ブログ」にようこそ。
お客さんが必要としているのは、
買うための情報ではなく、
買うかどうかを判断するための情報だ。
かつて、マーケティングの本で、
そんな記述を読んだ記憶があります。
買うかどうかを、最後に決めるのは自分自身。
ただ、何も材料がなければ判断ができない。
その手助けになる情報とは、
商品機能の情報だけでなく、その機能を位置づける情報も含むのだろう。
(高機能だけれど、通常はここまでいらないだろう、とか)
先日、とある登山関係商品のお店に行ったときのこと。
登山用手袋を見ていていると、
「何かお探しの商品があれば言ってくださいね」
と店員さんが声をかけてくれました。
そこで、まるで素人の私は、
値段が倍ほど違う2つの手袋の違いを質問。
端的に言えば、防水と防滴の違いで、
前者の手袋に倍以上の値段がついていたのです。
最後に、その店員さんが言いました。
「よほどの豪雨じゃないかぎり、防滴で十分だと思います」。
防水か防滴かは、商品の機能の情報。
ただ、それだけだと、防水のほうがいいに決まっています。
最後のひと言は、
その機能を位置づけるための情報でしょう。
防水まで求めるのが常識なのか、例外なのか。
初心者ならどのレベルから始めればいいのか。
税理士の場合の「位置づけ情報」は、
自分ならやるかどうか、でしょうか。
規制が厳しくなりましたが、
節税に役立つ保険があったとして。
この保険に加入すれば節税効果があります、というのは「機能の情報」。
それだけ説明して、
あとはご自由に選択してください、では専門家として無責任です。
その機能を位置づけるのが、「自分ならやるかどうか」。
関根稔先生は言います。
――――――――――
『税理士のための百箇条』(財経詳報社、P.157)
では、どこまで節税手法を実行すべきか。
その場合の判断基準は「自分なら実行するか」だと思う。税理士自身が、自己の相続税対策として子を祖父母の養子にし、賃貸物件を建築する際に自動販売機を設置し、利益の繰り延べのために節税保険に加入している。そのような手法を自ら実行している税理士であれば、それを納税者にアドバイスしても良いと思う。
しかし、自らは、そのような手法を実行していないにもかかわらず、納税者にはアドバイスをする。それでは納税者の倫理観を、税理士よりも下に置いてしまうことにはならないだろうか。
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機能を位置づけるためには、
目先の損得ではなく、人間性と倫理観が問われるのだと、私は思います。
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