【閃き】伝統を守るということ | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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毎朝4時起き、スポーツと読書が大好きな税理士/公認会計士がお送りする税務・会計に関する本業ブログです。
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こんにちは。
大阪南船場の早起き税理士・公認会計士(船戸明)
の「本業ブログ」にようこそ。

 先日、機会があって、京都観世会館に初めて行きました。体験型の企画公演「面白能楽館」を鑑賞するために。日ごろ、能を見てみたいと言っていたのですが、たまたま、そのイベントを紹介する京都新聞の記事を家族が見つけてくれたのです。

 次男(小2)を連れて行き、前場と後場に分かれた公演の間に、いくつかの所作体験もさせてもらいました。仕舞の足踏み、斬り合いでの刀斬り、斬られて真後ろに倒れる仏倒れ、など。

 体験が終わった後に鑑賞した後場では、実際に斬り合いの場面などもあり、父子ともども起きていて堪能いたしました。が、前場は、午後のとってもいい時間。次男は20分経過したあたりから、「がーがー」と熟睡、私もつられてうつらうつらしてしまいました。

 能楽師の安田登さんによれば、能は普段、無意識の下に潜んでいる思いを引き出す芸だそうです。

「能が進むにつれて観客の意識の膜は徐々に薄くなり、観客の意識は後退し、普段は意識の深層に隠れている無意識が、やがて表面に現われてきます。そして、観客は意識と無意識の境界である「夢の世界」に漂います。
 まさに「夢幻能」と呼ばれるゆえんです。
 ちなみに、ここら辺で、さらに深い無意識界に入って、実際に眠ってしまう人が多いのも能の特徴ですが、そこで起きていると、やがてシテやワキとも「思い(無意識)」を共有するようになるのです」(『日本人の身体』ちくま新書、P.82)。

 意識は後退しました。が、無意識が現れてくる、という事象ではなかったような。。。そうか、あそこを起きていないといけなかったのですね。ふと目覚めたとき、謡の方が二重に見えましたが、あれは単に寝ぼけていたからでしょうか。初めての能鑑賞で、無意識を共有するといった域には達しなかったようです。


 それはともかく、能は観阿弥・世阿弥から650年の歴史を持つ芸能。今回のイベントも、その能をできるだけ後世に伝えていく、という一心で企画されています。今年で既に10回目の開催だそうで、前場と後場に分けて能を演じることや所作体験ができること、能楽師の方による解説があることなど、能に少しでも親しんで帰ってもらおうというお気持ちが満載のイベントでした。

 ふと思えば、複式簿記の歴史は、能をさかのぼること200年以上前の、13世紀初頭と言われています。当時、商売が盛んに行なわれていたイタリアで、その萌芽を見ることができる、と。その後、1世紀くらいかけて、損益計算を行なう体系が整ったようですが、それでも能より100年ほど以前のこと。

 能が素晴らしい芸であることに疑いはありませんが、それより古くに発生した複式簿記に依拠して、毎日仕事をしている。そのことが、何だか誇らしく思えてきました。


 京都観世会館は、能の普及・伝承のためのイベントを積極的に行なわれています。では、複式簿記の伝承のために、税理士・会計士ができることは何でしょうか。

 それぞれの持ち場で、まずは小さな信頼を1つずつ積み上げること。大きな不祥事があっても、その信頼を回復する近道は存在しないのだと思います。




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