音響席から見る帝都 ameblo出張所 -14ページ目
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オリジナルSS作品「フリーダム・ユニバーシティ」

注意ATTENTION!!注意ATTENTION!!注意

こんな時局でございますので、もしお読み頂いている間に不快に感じたり、「こんな時勢だ空気読めバーカバーカ」などとお思いになった方、直ちにブラウザバックしてください。

時事ネタを取り上げたわけではありませんが、「何やってんだコイツ」くらいの生暖かい視線でご覧いただけたなら幸いです。

※一応書いておくが、主人公は女の子である。











新たなるステージへと駆け上がる皆に捧ぐ

「フリーダム・ユニバーシティ」



ギーコ、ギーコ、ギーコ…

大学入学二日目、私はなぜかノコギリ片手にイスを作っている。
広々とした大学構内の青空の下、何百人もの新入生が(院生も含めて)木でイスを作っている。
どうやらこれはこの大学の伝統のようで、曰く「自分のイスは自分でつくる」だそうだ。
そして大学生活4年間、常に自ら作ったイスを持ち歩いて勉学に励み、サークル活動に精を出す…
そんな話を聞いたときは「冗談だろ?」と思ったし、昨日の入学式で言われた際も「エイプリルフールの冗談だろ?」と本気にはしなかった。

それがどうだ。
今日はオリエンテーションだとかで登校してみれば、門に入るなりノコギリと金槌を手渡され、気が付けばイスを作っていた。
伝統だか何だか知らないが、どうしてこんなハメに…
さらに折からの電力不足で、去年は使えたらしいベルトサンダーや電動糸ノコ、電動ドリルの類は一切使えない。
風の噂では、木を運ぶのも去年はトラックだったのが今年はリヤカーで材木店と大学を10往復したらしい。

そんなわけで、私はハンドタオルで汗をぬぐいながら、下手すると汗ばむ陽気のなかでせっせとイスを作っていた。
ちなみにイスを作るという作業は全ての新入生に強制らしく、製作が終わるまで学生証をもらえない。
製作を終えこの作業場(といっても単なる芝生の広場だが)を出る際には検問があり、まるで国境の検問所のように長い列が出来ている。

しかし…

この大学は変な大学だ。
合格発表のときは米粒をこれでもかと言わんばかりに投げつけられた。結婚式じゃねぇんだから…
入学手続きに訪れた際には「合格おめでとうございます!!!」と言われながら親共々シャンパンファイト。シャワーも浴びれず、泣く泣くそのまま帰宅した。
「新入生の集い」なる入学式前のイベントでは「俺たちは自由だぁぁぁ!!」と叫んだ先輩が火災報知器のスイッチを乱打すると墨汁がスプリンクラーから吹き出した。イベントの主催者に殺意が沸いたのは私だけではない。
そして入学式では学長の演説中に男が乱入、学長やお偉いさんたちともみ合っていると舞台の床が抜け救急車沙汰に。
…この大学には秩序というものが無いのだろうか?

その割には学園祭はごくごく普通だった(ように見えた)し、オープンキャンパスも極めて平和だった(気がする)。
だが入試から何かがおかしかった。
入試は小論文だったが、「格差と平等と教育と送電線の関係と私とトイレットペーパーの夢と希望と絶望」というよくわからない課題文の後に「あなたの考える人類と水銀灯の適切な関係について考えるところを述べよ」という、輪をかけてわからない問題を課され、頭にきた私は「クリスマスやバレンタインデーという行事は角界の陰謀である」と書いた。
試験時間終了とともに後悔の念が襲ってきたが、なぜか受かった。教育学部の音楽専攻なのに。
過去問は普通に「戦後の生活と三木鶏朗の音楽について」だったのに。

音楽の実技試験にしたって、普通にピアノを弾こうとしたら試験官に「飽きたから何か歌って」と言われた。
逆らうわけにもいかず、ひとまず「ジュピター」を歌ったが試験管に「お前もっと宮川に感謝しろ!」と言われ、わけのわからぬまま「めざせポケモンマスター」を歌ったら合格した。
まったくもって、意味がわからない。

横目で検問を見ていると、どうやら作ったイスを投げて壊れなければ今日は解放されるようだ。
木材は支給されたが、釘やネジ、ボルトといった品は実費で、これがまたやけに高い。5寸釘10本で2000円もする。
一部では釘の強奪もあるようだが、すぐに「学生自治会警備隊」という腕章を巻いた軍服姿の男達がやってきて犯人を連行していく。
ここは治外法権なのだろうか?国立大学なのに。

それにしても、この大学にいるとストレスがたまる一方だ。
こうなれば、さっさと作ってとっとと帰宅するに限る。
釘に10,000円以上も使ったが、どうにか完成し検問も通過でき学生証ももらえた。
案内によれば、この金と苦労の産物は各クラスごとに割り当てられたプレハブの中に置いて帰れるらしい。
これ幸いと作ったイスをプレハブの中に置き、帰宅しようとするとサークルのチラシ攻勢。
合計20枚以上も受け取ってしまったが、「明日の天気は晴れのち岩清水、所によりトマト、生卵」と書かれた天文気象研究会のチラシが(嫌な意味で)印象的だった。


翌日。
全員強制参加の新入生歓迎イベント(出席にカウントされるらしい)なので、疲れが取れないまま登校した。
講堂に入れないので何事かと思えば、講堂の屋上から赤いヘルメットを被った男が何やら拡声器で叫んでいる。
なんとか「入学おめでとう」だとか「我々は君達の入学を歓迎する」とか言っているようには聴こえるが、よくわからない。
すると誰かにヘルメットを手渡された。周りの人も困惑しているが、曰く「念のため」の一点張り。
どうしたことかと悩んでいると、サイレンの音が近づいてくる。

「我々はナニガシ大学生活協同組合である!!学生自治会諸君らによる講堂使用は認められていない!」

かなり大きな声が聞こえた。見れば車の拡声器から叫んでいるようだ。続いて、黒塗りで大型のトラックのような車が続々とやってきた。
屋根には砲塔のようなものがついている。どうやらテレビでも滅多にお目にかかれない、機動隊で使うような放水車だ。
ご丁寧にも側面には「NANIGASHI Univ, CO-OP SECURITY」と書かれている。
対する自治会側も負けじと何事かを叫んでいるが、我々講堂前に集った新入生のざわめきでかき消されている。
流石に危険を感じ、渡されたヘルメットを被って場から逃げようと思ったが、人が混み合いすぎて身動きが取れない。

私、ここで死ぬかも…


私が生命の恐怖を感じている間に、自治会側が「だんじり部隊、突撃!!」と叫んだ。
そして「うおおおおおおおおおおっ」という勇ましい叫び声とともに、講堂の壁を破ってだんじりが出現した。
大阪の祭で見る、あの「だんじり」だ。ここは(辺鄙だけど)東京なのだが。
で、そのだんじりがこっちに超特急で向かってくる…
運の悪いことに私はこの後にバイトの面接があるのでリクルートスーツに身を包み、足はパンプスを履いている。
ヤバイ。これでは逃げようにも逃げられない!
パニックを起こしたのは私だけではなかったようで、将棋倒しになろうと他人を踏んづけようととにかく逃げる。しかし、逃げ場はない。

べちゃ。

そんな音が頭上でしたので上を見ると、上からトマトが降ってくる。
それも1個や2個ではない。ダンボールからぶちまけている。
そして「放水はじめぇえ!!」の号令とともに、放水車が水を噴射しはじめた。
気付けば数基のだんじりが猛スピードのまま何人もの新入生をなぎ倒し、1台の放水車につっこんだ。
妙にアルコール臭いが、あの放水車は酒でも撒いているのか?!
ともかく無我夢中でパンプスを脱ぎ、逃げ道を塞いでいるバリケードの向こう側に投げた。
すると向こう側に誰かいたのか、お返しとばかりに飛んでくる生卵。
もうスーツはトマトの果肉や果汁、酒、生卵でぐちょぐちょだ。
景気よく酒が放水されるせいで、この空間にいるだけで酔いが回ってくる。

その時。
ふと、ポケットの中に違和感を感じた。
物陰で放水とトマトと生卵から身を隠し、ポケットの中身を確認する。
携帯…はたぶんダメだろう。機種変したばっかりだったが。iPod…も、きっとダメだ。こないだ新しく買ったのに。
そして、お守り代わりに持っていた、祖父の形見の懐中時計を見ると…


レ ン ズ が 割 れ て い た 。


…おそらく、逃げる際に揉みあったり転んだり踏まれたりしたせいだろう。

ふと大声が聞こえたのでそちらをみると、だんじりがプレハブの建物に突っ込んでいる。
当然、プレハブの建物は崩壊した。
昨日、私が汗水たらして血豆までつくって、金もかけてつくったイスが置いてあった。のに。







ふ ざ け る な ぁ あ あ ! !



ここから先、翌朝まで記憶が無い。
聞くところによると、私はバリケードとして積まれていたイスや机を手当たり次第に投げつけ、鉄パイプを振り回してだんじりをボコボコにした挙句、放水車のハンドルを奪って池に水没させ、そこからドロドロになったスーツのまま平然と帰宅した。らしい。
ずっと高笑いしていたらしく、ついたあだ名が「女王様」「最終兵器」「鬼神」などなど…。


…私のキャンパスライフ、こんなはずじゃなかったのに…






終われ













超どうでもいい設定


・主人公
名前は特に決められてはいないが、女子。小学校時代から空手を嗜んでいたため、暴れるととんでもないことになる。実際、とんでもないことになった。
騒動の後、運動系サークルからの勧誘が激しいので辟易している。

・懐中時計
国鉄マンだった主人公の祖父の形見。祖父は蒸気機関車を運転していたらしい。
ちなみに主人公の父親もJRで働いている。


・ナニガシ大学
驚くべきことに国立大学。所在地は東京都の真ん中らへん。近隣住民の評では「自由を履き違えた大学」。センター試験で平均8割くらい取ればだいたい受かる。
だから頭はそこそこ良いはずなのだが…

作中にも描写されたように、学生は入学の後に必ずイスを製作しなければならない。
伝統だとか言われているが、始まったのはごく最近のこと。ちなみに毎年かなりの数のイスが1週間も経たないうちに捨てられるので、今年度から法外な金を取ることになった模様。
どうしてこうなった。

またこちらは古い伝統として、新入生は何かをかけられたり投げつけられたりする。
曰く「通過儀礼」だとか言われているが、単なる上級生のストレス発散に過ぎない。
だいたい水や炭酸ガスといったものだが、過去にはお粥やヘビが降ってきたりしたこともあったようだ。
墨汁や生卵は比較的定番コース。
ちなみにスイカは危険すぎるため警察から禁止されている。

なお、入学式中に部隊の床が抜けたり、だんじりがプレハブに突っ込むようなことは伝統ではない。
何につけても不運な今年度の新入生たちである。
ちなみに就任したばかりの学長である宮川氏は無傷で生還したが、既にこの大学から去る気でいるらしい。

・だんじり
1.大阪は岸和田で行われる祭で、街を猛スピードで駆け巡る山車。毎年怪我人が出る。
2.昨年度のナニガシ大学学園祭で目玉として製作された山車。車輪以外はベニヤ板と角材で出来ている。早い話がハリボテ。とにかく非常に危険。


・岩清水
ナニガシ大学農学部醸造学科で醸造された日本酒の銘柄。
担当教授曰く「作りすぎた」ため、めでたく伝統行事に使用された。
その量はおよそ10トン。量からみて、商売する気があったに違いない。
アルコール度数は高め。

・トマト
ナニガシ大学理工学部の遺伝子組み換え実験で増えすぎたので投下された。
ちなみに毎年作りすぎている。

・生卵
近隣スーパーの安売りを自治会総出で買い占めたもの。1パック78円だった。主婦は泣いた。


・放水車
生協本部と店舗の防衛の為に導入されたもの。警察の機動隊で使われていた車両の払い下げ。
でも日本酒を噴射するなど、悪ノリもする。
ちなみに、今回の自治会と生協はグル。







・あとがき

こんな時節にこんな作品でごめんなさい。
でも、いつまでも悲しんでばかりいるよりは、時々笑って気分転換も必要だと思う。
思いつく限りのカオスを詰め込んだ(はず)なので、楽しんでいただけたなら嬉しい。

毎度の事ながら、良い感じにネタを提供してくれる某知人に多大なる感謝と「オラオラ何か書けや」という脅はk… 痛い痛いごめんなさい許して

まあ、何だかんだありつつも私はもうすぐ大学生です。
4月1日が入学式だって。早いねー。
何か1ヶ月くらいは停電の影響が免れないみたいだし、新学期5月からでも良くね?

というわけで今回はこの辺で。ご覧頂いた方、誠にありがとウサギ。
それではそれでは、いつになるかはわからない、次回にお会いいたしましょう。さよなライオン。

製作はASAYANでした。

テスト投稿

鉄道ネタで後輩的な意味での友人達が揃いも揃ってアメブロな感じなので、当出張所を開設した次第。ちなみに本部はmixi。mixiの方はリアル知人限定。

内向的な人間なのでリアル知人限定で公開中もとい、書きたいことを書きたいように書くつもり。

後刻、SS的な作品の投稿をテストする予定。ちなみにオリジナル。
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