ピアニスト進藤実優さんを知ったのは、前回のショパンコンクールの時です。その時に聴いたバルカローレとエチュード25-6が今でも心に残っています。
今回同じエチュードを選び、水面が輝いているようなキラキラした音に変わっていました。
ケビン・チェンとハノーファー音楽演劇大学のアルディ・バルディ教授の同門のようです。
この2人、勿論個性があるので演奏スタイルは異なりますが、音楽に対する方向性と音楽を究めるという意味では同じ道を歩んでいるように思えます。
同じ師についているのも頷けます。
このような才能を育てるのは先生の喜びであり、しかも任せでおけばほぼ大丈夫、間違った解釈などする由もなく、言ってみれば責任はあるかもしれないけど楽な生徒とも言えます。
そして思うのはダイタイソン先生!
多くの生徒をショパンコンクールに送り、壮行会まで開いたとか?
しかし全員聴いたわけではありませんが、中にはほっておかれた教え子もいたのではないか。例えばパッセージの終わりを辻褄合わせに弾いているのを何回か聴きましたが、これって助言をすれば簡単に改善できるのにと思いながら聴いていました。
自分の経験ですが、私の桐朋時代の先生が、コンクールで1位を取る子が育ってくれればそれで十分と言ったのを思い出すのです。
実際、同門から日本で最も権威のあるコンクールで、何人も1位の生徒を出しました。それ以外の生徒、つまり私なんぞ捨て駒なんだなと理解しながら習っていた、と言う悲しい現実が!
しかしです。そういう経験も踏まえ、東京音大で教えるようになった時に、できない生徒こそできるようにをモットーとして生徒を育てていました。
負の経験も前向きにしなければ、生き行くのは大変です。
本選に進めなかった方々は、選ばれいくコンテスタントを聴きながら何を思うか!
ショパンコンクールと言う大きな舞台も、実は人生の一コマにしか過ぎないのではと思いながら聴いています。