通常どんな検査よりも問診の方が重要である。問診とは最初に行われ、患者の訴えを聞き、その後必要な情報を聞き出すために質問を加える。その次に施術がある。
たとえば患者が 『立つと痛いし、座っても痛い』 と訴えてくる。 すると治す側は立っている姿勢(立位)と、座っている姿勢(座位)をイメージし、それぞれの姿勢での筋肉や骨格等に作用する負荷を推測し始める。 立位でこうなって、座位でこうなるという事は...と。
いやいやこの場合、患者は『立つと痛い』と言っているが、 “立つと痛い” 、 “立とうとすると痛い” 、 “立つ途中で痛い” と表現しているのである。
座位より立位が辛ければ、立てないし動けないし歩けないし、おそらく担がれて来るだろう。 立位より座位の方が辛ければ、座ってられないし、立ち上がりたくなって起き上がりたくなって、無意識で身体を反らしている事だろう。
このように説明すると、多くの場合 『どちらも痛い』 と言う。 それは間違いでは無い。ここで必要なのは “どちらが痛い” では無く、 “どちらが、より痛い” のかを聞き出さなければならない事にある。そして治療の優先順位を本人にも自覚させなければならないのである。
当院はそれらに必要な説明を、何処よりも誰よりも多くする事を心がける。 患者は皆、自分の身体に不安・不満を持ってやってくる。 それを解決する事が、何よりも重要なのであるから。