ささいな行為論(2) | 名古屋市の相続・シニア問題に強い弁護士のブログ|愛知県

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ささいな行為論(2)

1 詐欺罪の成立要件

刑法第246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
同条2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 詐欺罪は、人を欺いて錯誤を生ぜしめ、その錯誤に基づいて、財物の交付その他の財産的処分行為をなさしめて、財物を取得し、又は財産上の不法の利益を得ることによって成立する。
詐欺罪の成立には、

① 欺く行為(欺罔行為)に基づいて被欺罔者が錯誤に陥ること。
② 被欺者が錯誤に基づいて財物の交付等の財産的処分行為をすること。
③ 財物又は財産上不法の利益を得ること。

が必要であり、欺く行為(欺罔行為)→錯誤→交付(財産的財物又は財産上不法の利益の取得が因果的連鎖に立つことが必要とされる。

2 ミートホープ食肉偽装事件

 日本経済新聞平成19年10月24日(水)夕刊社会面は、北海道警察生活環境課などが同日、単価の安い豚肉や鶏肉を混入した牛ひき肉を「牛肉100%」と偽って表示し十数社の取引先に販売したとして、元社長田中稔容疑者(69)ら同社の元幹部4人を不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で逮捕した。同課などは取引先をだまして不正に利益を得ていた疑いもあるとみて、詐欺容疑での立件も視野に追及する。と報道、その記事の左隣に「赤福不正出荷 本社で一元管理 コントロール室から数量の指示」と報道している。

中日新聞11月15日(木)朝刊社会面には、食肉偽装で札幌地検は14日、不正競争防止法違反(虚偽表示)と詐欺の罪で元社長田中稔容疑者(69)を起訴した。田中被告とともに不正競争防止法違反容疑で逮捕され、その後詐欺罪で追送検されていた三男の田中元専務(34)ら元幹部3人は処分保留で釈放した。一方、北海道警察生活環境課は14日、詐欺罪の起訴事実となった北海道加ト吉など三社以外の取引先14社に対して偽装ミンチを販売、代金計約1200万円を詐取したとして、詐欺容疑で田中被告ら4人を追送検した。と報道し、その記事の上部には赤福など三重県内の和菓子会社の食品偽装が相次いでいる問題で、「太閤餅(たいこうもち)」(伊勢市)も三重県の立ち入り検査で消費期限偽装が判明し、また、アレルギー物質で表示が義務づけられている小麦を原材料に記載していなかったほか、原材料の重量表示も誤っていたと報道した。

伊勢参りの土産物で発展してきた伊勢市内の和菓子メーカーでは「赤福」以降、偽装問題などの発覚が相次いでおり、県の立ち入り検査が公表されて明らかになったのは11月4日現在で、「赤福」、「御福餅本家」、「太閤餅」、「へんば餅」の4社である。偽装の内容は、消費期限及び製造日、原材料表示の偽装である。

3 ミートホープ事件では、欺罔行為の直接の相手方は、食品専門の商社と大手食品販売業者で、24年以上の長期にわたり継続して偽装していたものである。しかも、担当バイヤーは、食品のそれぞれの担当分野の購買部門のプロである。

一方、三重県伊勢市の代表的和菓子メーカー4社が、「偶然の一致で」「たまたま」同じような偽装表示をしていたとは、通例は考えられない。そこには、何らかの形、方法での明示もしくは黙示の意思の連絡がうかがえるものであります(法的には「意思の連絡」があれば、「共謀」ないし「談合」ということです)。このミートホープ事件と赤福事件は、私は、食品製造メーカーと大手小売業を含む食品販売業界の現実の「常識」をうかがうことができる事件であり、「食品業界の一部の現実の『常識』」と消費者の「店頭に並んでいるものは安全なものだ」「安全なものしか売られていない」「大手業者だから人を欺くような商売はしていない」などの、「消費者の『常識』」とが、あまりにもかけ離れているものであることを示しているものと考えています。

4 ところで、民法96条1項は、「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。」とあります。民法上、欺罔行為の違法性について、「欺罔行為が社会通念上違法と認められない程度の軽微のものである場合には、詐欺にはならない。どのような場合にどの程度の欺罔行為が不問に付せられるかは、個別具体的に決せられるべきであるが、一般的にみて、売買・賃貸借においては委任・組合におけるよりも正直さを要求される度合いが低いといえよう(売買においては、「買主注意せよ」(caveat emptor),あるいは、「眼を開け、買ったものはしかたがない」(Augenauf,Kauf ist Kauf)という原則が、今日でもある程度妥当する。川島299)。また、同じ売買・賃貸借であっても、意思表示の主体や、対象の性質のいかん(たとえば、露店における売買とデパートの売買、あるいは古物の売買と新品の売買など)によって正直さを要求される度合いが異なるものといえよう。」(新版 注釈民法(3)平成15年9月30日初版、有斐閣。なお、「川島」は、川島武宜 民法総則<法律学全集>〔昭40〕(有斐閣)の略記)。

すると、ミートホープ、赤福などは、「露店における売買」あるいは、「古物の売買」と同程度の正直さであったというのが現実の社会ということです。

5 一方、製造日及び原材料の重量順表示をはじめ食品の安全衛生に関する種々の規制を遵守している食品製造業者及び食品販売業者も多数います。問題は、遵守している業者と遵守していない業者が共存共栄していることです。例えば、デパートや大手スーパーの食品売場の同じ部門の売場で、売場の管理責任者を含む食品の製造及び販売の関係者が(皆プロです)、互いに相手の商品の品質表示の偽装の有無・程度を知りながら、波風を立てないで人間関係をうまく保つことに腐心しているのです。食品製造業者と食品販売業者を構成員とするムラ社会(消費者は入っていない)で、消費者への誠実義務より業界の全員がまとまり共存共栄していくことに価値が置かれているのです。

6 食品の表示に関する現実(残念ながら「一部の現実」と限定的に言えない広い範囲に渡って問題があるのが現実です。)とあるべき姿とのあまりにも大きな落差に、私は従来から日本国憲法の大原則であります国民主権に基づき、憲法第15条2項に、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」と定められているにもかかわらず、国民の生命・身体の安全、健康の保持増進より企業寄り、企業擁護の姿勢を堅持していた行政当局の責任が最も重大であると考えます。行政当局は、長年消費者及び消費者団体から、規則及び取締りの甘さを追求されながらも、食品製造及び食品販売業界の偽装表示を、事実上長年黙認し続けてきたのが実態です。ところが、ここ最近にいたって、社会が『情報化社会』に突入し「一部の人たちの間で公然の秘密」であったことが、社会一般に容易に知れわたるようになり、国民は、企業と行政当局に対して、法令遵守を求め、ガラス張りでの公開された十分な説明と適正な対応を求めるという大きな流れを生じたものであります。

 この社会の大きな変化の流れは、今後さらに一層進むものです。この社会の変化を認識して、「法令順守」されているかを社内と社外からのダブルチェックするなど確実なシステムづくりと問題が生じた場合の適切な対応が求められるととも、『商売』のあり方に相応の自己規制が求められるものであります。かつて昔のような『騙す方より騙される方が悪い』という考え方は完全に捨てなければなりません。商人は、顧客に対し契約上誠実義務を負っているものであることを認識すべきです。「赤福」の偽装は、『わずかな表示のごまかし』でも『ささいな行為』でもなく、「消費者に対し商品の品質を偽る悪質な欺罔行為」なのです。製造日を偽る行為も重大でありますが、砂糖(もちろん精製糖(ショ糖)です)が重量の50%以上も占める-「精製糖のかたまり」のような商品であるのに、その原材料の重量順表示を「小豆、もち米、砂糖」と偽装して表示して、その品質についても消費者を欺罔していたのです。

参考1 価格comで原材料の小売価格を調べてみました。

北海道十勝産エリモ小豆【極小粒】[1kg] \670
小豆は、炊く・蒸らす工程が必要で、さらにコストがかかります。
なお、この商品は、よくない小豆〔皮剥・割れ〕も混じっています。
又、粒が小さいため、大粒の商品に比べ炊く時間が余分にかかります。
炊いた後、蒸らし時間を多くする等、手間もかかります。
業界最安値に挑戦!!天津小豆[1kg] \400
砂糖(上白糖)500g  \105
グラニュー糖 500g \105
サトウの切り餅パリッとスリット 400g \475


参考2 砂糖(精製糖、ショ糖)について

 ベストセラーとなりました著者幕内秀夫、著書「病気にならない食べ方」26頁には、次のように書かれています。但し、( )内は、私が加筆したものです。現在使用されている砂糖はほとんどが精製糖、ショ糖です。「砂糖」の表現は自然の甘みの印象を与えますが、ニコチン、アルコールと同じく化学製品なのです。より意味を明らかにするために( )内を加筆したものです。

『 「体の栄養、心の栄養」

 長い間いろいろな人の食事指導を行っているうちに気づいたことですが、人間という生き物が他の動物と大きく違うのは、成長とともに「心の栄養」を欲するということです。

 心の栄養は人によってさまざまですが、多くは「酒」「タバコ」「甘い物」のどれかにあてはまります。どれも体にいい物ではありませんが、私たちは『よくないこと』を知りつつもやめられないのです。それを象徴しているのが、お墓に供えられているものです。花を除けば、どのお墓にも酒やらタバコやらまんじゅうが供えてあります。大根やねぎを供えているお墓はまず見かけません。つまり人は死んでもこれらをやめられないのです。

 (中略)

 体をこわしてしまうのは、甘い物を食べて、ごはんを抜いてしまう人。ごはんを食べていないと必ずお菓子やジュースなど、他のものを食べ過ぎます。しかも食事をしていないことから精神的な不安定さも生みます。するとまた甘い物に手が出る……といった悪循環になります。

 甘い物をいけないとはいいませんが、食事をきちんととったうえで、お楽しみ程度にしないと、とんでもないことになってしまいます。

 甘い物のなかには、焼きいもや甘栗など自然の甘みもあります。これらは体の栄養になりますが、こういったものを食べて幸せを感じる大人はいません。大人が求める甘い物とは「砂糖(精製糖・ショ糖)」のことなのです。

酒、タバコ、甘い物のなかで一番怖いのは「砂糖(精製糖・ショ糖)」です。意外ですか?では、酒、タバコ、甘い物を食べ始めた年齢を思い出してみてください。酒もタバコも大人になってからですが、甘いお菓子や清涼飲料水(スポーツ飲料を含めて多量の精製糖が成分となっており、実態は「精製糖水」です。)は小さい頃から取ってしまう可能性があります。気づかないうちに糖尿病予備軍をつくっているようなものなのです。

 大人には心の栄養は必要でも、子供には必要ありません。子供は自然の甘さでも満足できます。砂糖(精製糖・ショ糖)を使ったお菓子は、誕生日など特別な日に食べさせる程度にしたいものです。』


 ~砂糖関連HP~

● 砂糖(さとう)とは、甘みを持つ調味料(甘味料)の一種であり、主な成分は糖(おもにショ糖)である。化学式ではC12H22O11と表わされる。

● 砂糖の甘味は私たちにすばらしい心理的・生理的効果 を与えてくれます。甘いものを食べると脳の快感中枢が刺激され、心が安らぎ、リラックスします。砂糖の成分はほとんどがショ糖。体内で加水分解されてブドウ糖と果 糖になり、吸収されやすく、主としてエネルギー源として利用されます。

● サトウキビから作られた原料糖が砂糖(精製糖)になるまでの製造工程
世界各国で作られた原料糖をいっぱいに積んだ原糖船は海を渡って精製糖工場に近い港へやってきます。原料糖はある程度精製されていますが、まだまだ色素などの不純物が入っています。この不純物をきれいに取り除き、ショ糖を再結晶化させることによってお砂糖(精製糖)は作られます。

● 砂糖(ショ糖) 分子式:C12H22O11. 分子量:342. 別名、スクロース。 砂糖として食用その他多量に用いられる非還元性二糖。 白色、甘味をもつ結晶で200度でカラメルになる。 水によく溶け、酵母により発酵する。

● スクロース (sucrose) とはショ糖(蔗糖、しょとう)やサッカロースとも言われる代表的な二糖の一つで、単糖であるグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)から構成されている。実験式はC12H22O11。式量は342.30。

● 【砂糖の話】最も繁用される食品添加物として「砂糖」を位置付けても良いのではないか?砂糖の話はもっと早く書くべきだったが、なにぶん迷わせる研究や資料が多すぎて簡単にまとめることの出来ないものであった。

● Sugar砂糖の甘い罠 NI (No.363) 13 危険な快楽糖分が身体に及ぼす影響。16 中毒という妖怪摂食障害と砂糖の関係。(by Anita Ferruzzi)

● 砂糖中毒
 砂糖は栄養学的にいえば、糖質のひとつであり、広く動植物界に存在し、緑色植物によって二酸化炭素と水から合成されるが、簡単なものは人工的に合成することもできる。
 体内に存在する糖質の量は、脂肪や蛋白質に比べて少なく、毎日摂取する糖質の大部分は長く体内にとどまることなく、エネルギー源として利用されている。しかし、砂糖の出現によって自然の代謝プロセスは大きく変化した。 砂糖とはショ糖のことで、ブドウ糖と砂糖の化合物である。 砂糖は食物とはいえず、精製後の砂糖からはビタミンやミネラルがすべて抜けていて、99%がショ糖である。

↑「砂糖中毒」で検索すると、1番目に出てきました。ペットのお話です。人は、人の健康より、ペットの健康の方に神経が行き届くようです。




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