『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013』 コンサートレポート 前半 | タクトTVのブログ

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今年の「ラ・フォル・ジュルネ」、ぼくにとっては例年以上に怒涛で感慨深いものとなりました。
まず初日は朝のパフォーマンスとソムリエのあとに、ニッポン放送Suono Dolce「Cafe Dejeuner」に出演。
パーソナリティのブッシーをおおいに笑かし暴れまわる。ついでにスタッフからも感謝もされる。
3日めは昼から国立演芸場の出番があったので、中抜け。
朝も、国立もスタンディングオーベイションになっておおいに盛り上がったよ(本人が盛り上がったって言ったら、値打ちないね。でもホントだもん、どらえもん)。
今回は14のコンサートを聞きました。
『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013』コンサートレポートを前後半に分けて報告するね。

5月3日

①公演番号113 14:30~15:30会場ホールA
“ルネ・マルタンのル・ク・ド・クール(ハート直撃コンサート)「官能のパリ」”
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
サラサーテ:カルメン幻想曲 op.25
サン=サーンス:ハバネラ op.83
ヒメネス:≪ルイス・アロンソの結婚式≫より 間奏曲(カスタネットとオーケストラのための)
アーティスト:ニコラ・ドートリクール (ヴァイオリン)ベルトラン・シャマユ (ピアノ)ルセロ・テナ (カスタネット)シンフォニア・ヴァルソヴィアジャン=ジャック・カントロフ (指揮)

アーティステック・ディレクターのルネ・マルタン自ら案内するだけあって、気合が入ったガラ・コンサート。
夢見るピアノも、情熱的なヴァイオリンもよかったけど、掘り出し物はなんといってもカスタネットのルセロ・テナ。
これ、ほんまに心をガツンと直撃した!
このテナおばちゃん、雰囲気といい、粒のそろった音といい、神がかり的やった。

②公演番号173 15:55~16:55会場よみうりホール
ビゼー(根本編):オペラ≪カルメン≫ ハイライト
前奏曲
ハバネラ「恋は野の鳥」〈カルメン〉
二重唱「母の便りを聞かせてよ」〈ミカエラ、ホセ〉
セキディーリャ「セヴィリアの砦の近くに」〈カルメン〉
二重唱〈カルメン、ホセ〉
間奏曲「アルカラの竜騎兵」
ジプシーの歌〈カルメン〉
クープレ「闘牛士の歌」〈エスカミーリョ〉
シャンソン
二重唱「トラ・ラララ」(花の歌)〈カルメン、ホセ〉
間奏曲
アリア「何を恐れることがありましょう」〈ミカエラ〉
二重唱〈ホセ、エスカミーリョ〉
間奏曲
二重唱(フィナーレ)〈カルメン、ホセ〉
アーティスト:エレオノール・パンクラツィ (メゾ・ソプラノ)ジャン=ジャック・ラントン (テノール)ジェニファー・ヴェネン (ソプラノ)ヴィクラント・スブラマニアン (バリトン)ムジカ・ニゲラ、根本雄伯 (指揮)

ええやん、この小編成のステージオペラ。
なんか田舎の中世の小劇場で見てるみたいで。
カルメンはほんま、ええ曲や。
ビゼーはこんなええオペラ作ったのに、評価されずに夭折してかわいそうやな。
「闘牛士の歌」を歌ったエスカミーリョ役は大喝采をあびてたけど、たしかに歌もええしかっこよかった。

③公演番号145 17:45~18:30会場ホールC
ファリャ:7つのスペイン民謡
ロドリーゴ:アンダルシア協奏曲(4本のギターのための)
アーティスト:カニサレス (ギター)鈴木大介 (ギター)荘村清志 (ギター)大萩康司 (ギター)オーヴェルニュ室内管弦楽団、ロベルト・フォレス・ヴェセス (指揮)

朝、ソムリエをやっていたらかっこいい人が日本人の奥さんを連れてスタッフに挨拶に来てた。
「あの人が、話題のカニサレスさんだよ」とスタッフが言っていたので、話題に乗り遅れたらあかんと思い、見に(?)いった。
ふれこみでは超絶ギター四重奏による夢の演奏が実現、「アランフェス」の作曲家による秘曲登場。
秘仏、秘め事、秘曲…。
マル秘の公開はやっぱりチェックしとかなと思ってその秘曲を聞いたが、秘密のままでもええかもねえ、これは。
ギター四天王の演奏を聴きながら、小橋健太が11日に引退するんやなあと感慨深くなった。

④公演番号115 19:15~20:00会場ホールA“ベル・エポック”
フォーレ:ペレアスとメリザンド
マスネ:タイスの瞑想曲
ショーソン:詩曲 op.25
アーティスト:オーギュスタン・デュメイ (ヴァイオリン)シンフォニア・ヴァルソヴィア、ジャン=ジャック・カントロフ (指揮)

デュメイはやっぱりすごいなあ。
聞きながら、なんかルーブル美術館に迷い込んだ感じがした。
この3曲、若いときはよう聞いたな。

⑤公演番号127 21:30~22:30会場ホール“フラメンコ!”
グラナドス:2つのスペイン舞曲
アレグリアス(フラメンコ曲)
ロンデーニャ(フラメンコ曲)
ファリャ:3つの踊り(「三角帽子」より)
アンダ・ハレオ(フラメンコ曲)
アルベニス:イベリア 第3集「エル・アルバイシン」「エル・ポーロ」「ラバピエス」
アーティスト:アントニア・コントレラス (フラメンコ歌手)チャパロ・デ・マラガ (ギター)ジャン=フランソワ・エッセール (ピアノ)

ナクソスで前に聞いていて、注目していたアーティスト。
こんな時間に演奏したら、光溢れるアンダルシアちゅうよりも、物悲しさが漂うジプシーちゅう感じがするなあ。
ファリャの「3つの踊り」(三角帽子より)って書いてたから、終幕の狂乱が聞けるかなと思ったら、それは入ってへんかった。でも粉屋はよかった。
なんか安うにええもん観たかんじ。だって新宿のフラメンコのお店にいったら、7000円以上はとられるやろ。飯はついてるけど。
演奏はほんま、さすが本場ちゅうかんじで、なりきってえがったよ。

5月4日

①公演番号242 11:45~12:30会場ホールC“聖なるパリ”
デュリュフレ:グレゴリオ聖歌による4つのモテット op.10
フォーレ:レクイエム op.48(1893年版)
アーティスト:シルヴィ・ヴェルメイユ (ソプラノ)ジャン=リュック・ウォーブル (バリトン)ローザンヌ声楽アンサンブルシンフォニア・ヴァルソヴィア、ミシェル・コルボ (指揮)

コルボちゅうたら、カール・ゴッチみたいなもんで、この音楽祭の「神様」的存在。もはやラ・フォル・ジュルネの顔とも言える。
そら拝まんわけにはいかんやろ。
まして数あるレクイエムの中でも、もっとも美しいもののひとつと言われるフォーレのやから。
あまりの美しさに、なんか天使が舞い降りてきた感じがした。Cホールはちょっと教会みたいな感じやし。
ここでの天使のイメージは、ラファエロのんじゃなしに、ムリリョのかわいい天使やで。
コルボ&ローザンヌによるフォーレの名作劇場で昇天。

②公演番号272 13:25~14:10会場よみうりホール
ショパン(タレガ編):ノクターン第2番 op.9-2
ショパン(タレガ編): 前奏曲第15番 op.28-15 「雨だれ」
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女(「前奏曲集 第1巻」より)
ソル:ギター・ソナタ第1番 ニ長調 op.14 「グラン・ソロ」
グラナドス:ゴヤのマハ
トローバ:「カスティーリャ組曲」より
ロドリーゴ:ヘネラリーフェのほとり
村治佳織 (ギター)

ロドリーゴに賞賛された日本人ギタリスト。
むっちゃ美人やけど、演奏は意外と野性的。
かおりお嬢ちゃん、フランス人と結婚(あくまでも噂だけど)して残念がっている殿方も多いはず。
ちょっと前にNHKのBSで、「旅のチカラ」という番組で佳織さんがアフリカ・タンザニアの農村を訪れて、音楽の原点に接するちゅうのをやってたけど、ここでも音楽を即興で生み出して現地の子らと仲良くなってた。
この演奏会でもえらい人気やった。才色兼備やな。切れ味するどい演奏に、ギターが刀に見えてきた。


あかん、もう出んといかん。
この続きはあしたの午後にでも。