『黄蝶舞う』が電子書籍になりました | 浅倉卓弥オフィシャルブログ「それさえもおそらくは平穏な日々」Powered by Ameba

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トラウマスイッチにまでは

自分はしてなかったよなあ、などと

 

ついつい思いながら観た日曜日でした。

 

もちろん『鎌倉殿~』の大姫の、

蝉の抜け殻の話ですので念のため。

 

それにしても、いよいよ

平泉まで終わってしまいましたねえ。

 

前にも書いたかと思いますが、

ここまでが拙著

『君の名残を』の範囲でございます。

 

こちらですね。

 

 

 

たとえばここまでの

『鎌倉殿の13人』や

 

あるいは山田尚子監督の

『平家物語』で

 

源平合戦の物語に

改めて御興味を持たれた方には

 

是非お手に取っていただければ

大層嬉しく存じます。

 

たぶんほかとはひと味違った

義経の最期が見られるかと。

 

 

本編のラストシーンが

この二人の対決になることは

 

ほぼ最初の着想があった時点から

決まっていたように記憶しています。

 

弁慶のいわゆる立ち往生の伝承と、

あともう一つ、

 

義経は高舘(あるいは衣川舘)で

本当に死んだのか、という

歴史上の謎があればこそ

 

思いついたものだったわけですが、

 

では、どうすればこうした構図を

成立させられるだろうかという点は、

書きながら考えていた気がします。

 

静の果たす役割なんかも

そういう逆算だったはず。

 

同様に、粟津での

義仲の最期における

史実の改変なんかも、

 

ですから思いついたのは

だいぶ書き進んでからでした。

 

これも忘れもしないのですが

最初はマジお風呂場でした。

 

詳しくは一応伏せますが

義仲の額に刺さった矢が

 

史料には決して出てこない形で

放たれるわけです。

 

ああ、なんだ、これで全部

辻褄が合うじゃん、

みたいな手応えがあって、

 

物語がようやく最後まで見えた

手応えを感じたものでした。

 

裸でガッツポーズをしたかどうかは

さすがに覚えていないかなあ。

 

小躍りはしていない。絶対に。

 

ですからまあたぶん、

α波が出るって言い方で

今正しいのかどうかまでは

正直わかりませんが、

 

この仕事、むしろちょっとだけ

弛緩しているような時に

 

アイディアが出てくるってのは

けっこうありがちなんだと思います。

 

もちろんそれもこれも

終始ずっと考えていることが

あってからこそであろう点は

一応念を押しておきますが。

 

いやだから、弛緩しっぱなしで

本が出ていないわけでは決してないと

まあそれは言っておきたいかな、と。

 

 

さて、義仲、義経については

書きたいこともまだまだあるので

ちょこっとずつまたまとまったら、

 

ここにあげるつもりでいます。

 

そういうわけで今回の記事の

メインの話題はタイトルの通りです。

 

蝉の抜け殻のおかげかどうかまでは

さすがにわかりませんけれど

 

今回拙著『黄蝶舞う』を

いよいよ電子書籍にして

いただくことができました。

 

先週辺りから各所で

買えるようになっています。

 

こちらです。キンドルになります。

 

 

この先の『鎌倉殿~』の展開は

予告編から察するに

まず八重さんの運命があって、

 

ややネタバレになったら恐縮ですが

 

その先は曾我兄弟の仇討ち事件から

範頼の粛正へと続くのでしょうが、

 

この辺りは、僕は扱っておりません。

 

ただ、建久六(一一九五)年の

東大寺落慶法要の際の

頼朝二度目の上洛から先は、

 

たぶんこの『黄蝶舞う』の各編が

けっこう詳しいのではないかと思います。

 

合議制の成立などの

頼家の治世から

 

実朝の暗殺に至るまでは、

一応史実的にも

網羅した形になるのではないかと。

 

承久の乱までは行けていないのが

歯噛みするところなのではありますが。

 

まあそれはそれ。

 

では今日のところはこの辺で。