――まず。
実はこの週末くらいから、
拙著『四日間の奇蹟』の文庫が
だいぶどころではなく久し振りに
いわゆる重版出来しております。
四日間の奇蹟 (宝島社文庫)/浅倉 卓弥
¥745
Amazon.co.jp
実はこのブログを始めてから、
文庫化含め
新刊の刊行が一切できていないもので、
あるいはこのブログで初めて
僕のことを知って下さったような
皆様方の中にはひょっとして、
いやでも浅倉さん、
作家のジャンルの
オフィシャル・ブログに
入ってるみたいだけれども、
書店店頭でお名前を目にしたことが
正直ないんですけれど、と
思われていらっしゃるような方が、
決して皆無だとは
いえないような状況に
なってきてしまっているよなあ、とは
ひそかにずっと思っておりました。
そういう訳ですので、
たぶん今なら大きなところでは
多少並んでいるかと思われます。
ここを覗いて下さっている方で
そういや『四日間の奇蹟』も
ちゃんと読んだことないなあと
あるいは思って下さった皆々様、
そういう訳で
たぶん今なら見つかります。
ただ宝島社文庫は
ちょっとわかりにくいような場所に
置かれていることもしばしばなので、
お店の方に「四日間」なり
僕の名前なり宝島社文庫なり出して、
訊いてみていただくのが
一番早いかもしれません。
まあ正直僕自身ずっと
腋の下に嫌な汗が
たまっているみたいな
状態が続いていることは確かなんで、
少なからず胸を
撫で下ろしていることも本当です。
この状況、市況下で、
十年以上前の作品の重版を起案し、
決済して下さった
同社のスタッフの皆様には、
本当に感謝しております。
些か私信みたいな
様相になってはしまいますが、
改めてここで、
謹んで御礼申し上げます。
どうもありがとうございました。
さて、そんな週末だった
訳なのですけれど、
その金曜日になんだか
『邯鄲』なんてめずらしい言葉を
随所で見たり聞いたりしたもので。
今度は少しだけそちらの話題。
どうやら歌会始の御詠歌の発句が
この言葉だったという経緯のようで。
これ、虫の名前であると同時に
能の古典で有名な言葉なのですが、
実はこのブログでも一度だけ、
登場させていたりします。
覚えていらっしゃる方も
そうそういないとは思いますけれど、
こちらの記事(→♭70)の
本当に最後の最後の方になります。
なんかつい、仕上がったばかりの
短編の名前として出してしまいました。
いやしかし、書き終わってからもう
一年も経っちゃったんだなあ、と
思ってしまったりもしましたが、
昨年歴史街道さんで
発表させていただいた
『関ヶ原の丑三ツ』なる作品と、
根っこのところで
似たような発想を
共有している一篇です。
こういうきっかけがあると
もしかして存外早く発表に
手を上げて下さる方が
出てきてくれるかもしれないなあ、と
思わずそんな皮算用を
したりもしてしまった次第。
まあ現状何もないのですけれど、
もし多少なりとも具体的な話が
起こってきたりしましたら、
またこの場で随時
アナウンスさせて
いただくかもしれません
ちなみに「邯鄲」の意味ですが、
これはコオロギのような
虫の名前であったりします。
作中にも枕のデザインとして
描写したりもしております。
『邯鄲の夢』で引いたりすると
もっと詳しいことが
わかるだろうとも思いますけれど、
だいたいそんなお話です。
基本古典を元ネタにしつつ、
自分なりのアイディアを
最後の最後に加えてみた。
そんな感じの一篇です。
ただもうしばらく眠っていて
もらうことには
どうにもなりそうではありますが。